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博報堂プロダクツ制作の2作品が「交通広告グランプリ2025」優秀作品賞を受賞

2025年の交通広告グランプリにおいて、当社が制作に関わった2作品が「優秀作品賞」を受賞しました。電車内や駅構内で展開された広告で、その特性を活かした企画意図や表現手法が評価されました。本記事では、各作品の概要と、各担当者のコメントをご紹介します。

 

「脳が眠る電車」(車両メディア部門 優秀作品賞)

ブレインスリーブ 交通広告グランプリ受賞作品

 

交通広告グランプリ2025 受賞作品紹介ページ:https://awards.jeki.co.jp/awards/train_media/

クライアント:株式会社ブレインスリープ

睡眠の質を向上させる枕のプロモーションとして、「脳を休ませる」というコンセプトのもと、情報をそぎ落としたシンプルな広告を、車両内中づりやドア横などに展開。

 

【受賞をうけて】

本案件は、3月「睡眠の日」に合わせてブレインスリープの認知向上を目的に実施した企画です。ターゲットは、日々多忙な20代後半〜40代前半の社会人でSNSやWebメディアでの拡散も視野に入れた「脳が眠る電車」というコンセプトが採用されました。

電車内という情報過多な空間を、あえて“情報のない空間”に変えることで、商品の機能性を訴求。車内のすべての広告媒体での情報を極限まで削ぎ落とし、電車一編成をジャックするという大胆なクリエイティブを展開しました。

 

広告が“語らない”ことで語る、という逆説的なアプローチが本企画の核となっています。中吊り広告には透明シートを使用しながらも、車内の風景に溶け込まないよう枠を設けるなど、控えめながらも確かな存在感を演出。また、他媒体では余白を大胆に使いながらも、「※広告もお休みしています。」「ZZZ…」といったコピーに“眠気”と“人格”を持たせることで、親しみやすく、殺風景にならない工夫が施されました。
広告が“休む”ことで、乗客の脳も“休まる”という体験を提供することで、情報過多な社会への問いかけとしても機能。広告としての機能を保ちつつ、情報を削るというバランスに細心の注意が払われました。

 

今回の受賞は、「広告なのに、できるだけ言わない」という挑戦を受け入れてくださったクライアントの柔軟さがあってこその受賞だと思っています。広告が伝えるだけでなく、感じてもらうこともできるという気づきを得る機会となりました。
今後もアイデアひとつで新しい価値を生み出すクリエイティブの力を信じ、「伝える」にとどまらず、「体験をつくる」広告制作に挑戦し続けたいという意気込みが語られています。

 

【スタッフリスト】

ECD:中野 寛之(BRAIN SLEEP)
CD:梅澤 諒
C:佐藤 廉、伊藤 誠                 
AD:戸高 遥 
D:チェ ソヨン、尾和 優多
Pl:樋口 豊 、遠藤 茉子
pr:辻 彌岳

 

「How to “Hello Tokyo” Tour」(デジタルメディア部門 優秀作品賞)

交通広告グランプリ受賞動画「How to “Hello Tokyo” Tour」のキャプチャ

 

交通広告グランプリ2025 受賞作品紹介ページ:https://awards.jeki.co.jp/awards/digital_media/

クライアント:公益財団法人東京観光財団

世界で愛されるハローキティを活用し、訪都旅行者に向けたマナー啓発とそのイベント・キャンペーン告知を兼ねた動画を、JR東日本エリア主要駅構内のサイネージにて展開。

 

【受賞をうけて】

本案件は、東京を訪れる旅行者に対して、旅をさらに楽しむためのマナーや文化・習慣を伝える企画。国内外で高い人気を誇るハローキティを起用し、駅内や電車内のサイネージのほか、ポスターやWebサイトなどを制作しました。

 

ポイントはいわゆる「マナー啓発」らしくないクリエイティブ。ハローキティ独特の世界観を活かし、15秒という短い尺でも印象に残るストーリーを心掛けました。コピーでは「マナー」を「東京観光を快適に楽しむための方法」として紹介し、ハローキティの親しみやすいセリフで伝えるようにしています。コピーは日本語のほか4ヶ国語で掲載するため、短くわかりやすくしつつ、ハローキティらしいやさしいトーンで伝えるバランスを工夫しました。

また、9つのポーズにもこだわっています。日本独特のマナーや文化・習慣を伝えるため、外国人の方が見て理解できるメッセージや動きにする必要があり、クライアントや版権会社(サンリオ様)と何度も協議を行いました。さらに特定の国では厳禁・失礼にあたるポーズなども考慮しつつ、どの部分で止まっても、違和感のあるポーズや表情にならないように動画を作成しました。このことが特に苦労した点です。

 

制作した動画やポスターを背に、外国人観光客の方が記念写真を撮っているシーンを多く見かけ、注目していただけていることを実感しました。

デジタルメディア全盛で、今やデータ分析は不可欠となっておりますが、今回のようにデータでは最も計りづらい交通メディアで受賞したことに、まだまだ可能性を感じました。一つひとつの言葉やビジュアルにこだわることで、生活者の印象が変わってくると思っていますので、今後も丁寧に制作していきたいです。

 

【スタッフリスト】

CD:永井 一史(HAKUHODO DESIGN

C:平原 千文美

AD:佐溝 知代

D:赤羽 奈緒、佐藤 友香(HAKUHODO DESIGN

PL:山口 綱士(HAKUHODO DESIGN

VFX:鎌田 明、谷 貴彬

CGプロデューサー:鈴木 信弘

WEB D:橋爪 萌

AG-PR:佐藤 龍太