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博報堂プロダクツの各コア事業が追求している専門技術を駆使した新しい取り組み、
時代の進化と掛け合わせながらも手触りを宿らせるプロの仕事をご紹介します。

クリエイティブの力で経営を動かす ENND Partners×博報堂プロダクツの新たな共創

2024年3月、博報堂DYホールディングスは、新たなプロフェッショナルサービスを提供する会社「ENND Partners」を設立しました。
ENND Partnersは、博報堂グループ各社と連携しながら、経営や事業、組織の課題を“人間性(Humanity)”の視点から捉え直し、企業変革を支援するこれまでにない統合型のデザインサービスを提供しています。
こうした取り組みには、戦略を現実の顧客体験へと落とし込む“実装力”が欠かせません。その領域を担うのが博報堂プロダクツです。プロダクツは“ものづくり”を起点に、戦略の実現性を高める役割を担っています。
本記事では、ENND Partners CEO・岩渕 匡敦氏と、博報堂プロダクツ 取締役 常務執行役員・茂呂 譲治の対談を通じて、両社協業がもたらす可能性を探ります。

 

ENND Partners×博報堂プロダクツ対談記事のサムネイル画像。左からENND Partners CEO・岩渕 匡敦と博報堂プロダクツ 取締役 常務執行役員・茂呂 譲治氏の写真

戦略と実装の乖離を埋める、ENND Partnersの統合型プロフェッショナルサービス

人口減少や市場縮小、地政学リスクの高まりなど、企業を取り巻く環境は急速に変化しています。こうした中で、多くの企業が「戦略は示したものの、現場が動かない」「顧客の共感につながらない」といった“戦略と実行の乖離”に直面しています。この問題をコンサルティングの立場から直視してきた岩渕 匡敦氏は、解を提示すべくENND Partnersを立ち上げました。

 

岩渕:私たちはこれまで、数多くの企業の課題解決に向けた戦略立案に携わってきました。複雑な事業環境において進むべき方向を示す戦略は不可欠ですが、その意図が従業員や生活者にまで届き、行動変容につながらなければ、期待された成果は生まれません。
実際には、「正しいことを言っているのに動かない」「良いプロダクトをつくったのに響かない」といった状況が起こりえます。背景には、経営層・従業員・生活者それぞれの人間性(Humanity)への理解が十分でないまま、論理中心で設計された戦略の限界があります。「戦略と実行の乖離を、人を起点に橋渡しする」。この課題意識こそが、ENND Partners創業の原点です。

 

岩渕氏が指摘する「乖離」は、個別のプロジェクトに限った話ではなく、業界構造そのものが生み出してきた課題です。戦略領域はコンサルティング会社、コミュニケーション領域は広告代理店やデータマーケティング会社といった具合に、専門化が進むことで役割は明確になりましたが、その分、両者をつなぐ領域が空白になりました。顧客企業側の分業化も同様で、戦略の意図が実装や現場の活動に十分反映されにくい状況が生まれています。

 

岩渕:さらにスマートフォンが浸透し、情報発信の主導権が企業から生活者へと移行しました。コミュニケーション手法はもちろん、プロダクト自体の内容や流通プロセス、ビジョンやパーパスなどの経営理念、従業員の働き方まで、企業はさまざまな変革を迫られています。広範な視点を持つ経営企画部門が重要化する一方で、サポートを担うコンサル会社は、コミュニケーションやクリエイティブが苦手。一方で広告・マーケティング会社は、顧客のビジネスモデルや産業構造への理解が浅いという課題がありました。この構造を打破するため、ENND Partnersでは各分野の専門家が連携し、統合型のプロフェッショナルサービスを生み出していきます。

 

ENND Partners Co-Founder & CEO 岩渕 匡敦氏

ものづくり会社のインサイトが、経営や事業の課題を動かす

このENND Partnersと連携し、実装領域を担うのが博報堂プロダクツです。
多様な接点で生活者と向き合い続けてきたものづくりの知見は、経営課題に対しても大きな力を発揮します。

 

茂呂:博報堂プロダクツは2005年の設立以来、「こしらえることのプロフェッショナル」を標榜してきました。具体的には、戦略やアイデアを、絵に描いた餅で終わらせず、生活者を動かし、ビジネスとして最後まで実行・成立させるために「まず手を動かす」「ものや形にして検証する」。この行き来を丁寧に、でも迅速におこなう姿勢には、毎度感銘を受けます。また広告制作業界では、映像、販売促進、イベント、デジタル・ITなど会社ごとの分業が主流ですが、博報堂プロダクツグループでは17以上の事業領域に100職種以上、4,000名程のプロフェッショナルが在籍。リアルからデジタルまで多様な顧客接点で企画・実装をおこない、必要に応じて接点同士を横断できる体制があります。この「考える」と「実装する」が一体化していること、人々の心を動かす為の磨き上げた生活者心理への理解は、ENND Partnersとの協業でも応用できるでしょう。

 

岩渕:戦略を実行に移す上では、プロダクトやデザイン、デジタルコミュニケーションなど、人間の心を動かすカタチに変換するプロセスが必要です。ものづくりは深遠なものなので、その領域で長年蓄積してきた博報堂プロダクツの経験やノウハウは、他の業界が簡単に代替できるものではありません。特にユーザーインサイトやラストワンマイルで人を感動させる力は、戦略策定にも大きな力を発揮します。 また私は、経営者に対するインスピレーションという点でも期待しています。例えば、博報堂プロダクツではママクリエイターによる「ハハハクリエイティブ®」が活動していますが、チームの知見を動員すれば、育児やヘルスケア領域の企業戦略策定がかなり深く良いものになります。

 

茂呂:当社には、「考える」と「カタチにする」をワンストップで実現するクリエイター集団をはじめ、AI を活用してクラフトの可能性を切り拓く「ジェネレーター」、そして脱炭素やサーキュラーエコノミー領域で豊富な実績を持つ「SUSTAINABLE ENGINE」など、多様な専門チームが在籍しています。さらに、SNS、Eコマース、店頭販売、データ分析など、顧客接点ごとのプロフェッショナルも多数揃えており、各接点のインサイトに基づいた深い知見と実行力を備えている点も大きな強みです。

 

株式会社博報堂プロダクツ 取締役常務執行役員 茂呂 譲治

初期段階から実装を見据えて、成果を最大化する戦略設計へ

生活者インサイトはもちろん、SNSや店頭、ECといった最前線の反応を踏まえて戦略を設計することは、企業側でもコンサル側でも容易ではありません。

 

岩渕:そして、企業もコンサルティングファームも、SNSや売り場の反応まで念頭に置いて、経営戦略を策定することは専門人材やケイパビリティの観点から簡単ではありません。博報堂プロダクツとの協業により、実装可能なアイデアが伴う発想を、戦略立案の初期段階から取り込めば、プロダクトの上市 やコミュニケーションの成功確率を高められるでしょう。絵に描いた餅にならないことが実感できるので、経営層も意思決定に自信を持てます。これは大きな力です。

 

茂呂:博報堂グループの根底には、「生活者発想」という考えがあります。例えばブレストではまず「生活者がどう思うか?」そして「クライアントビジネスに結果をもたらすアイデアや体験となっているか」を話し合います。博報堂プロダクツにおいては、顧客接点ごとのブランドと生活者の関係性を鑑みた企画と、その反応に応じた分析や改善をおこなうやり方が染み付いています。そうしたマインドで業務と向かっているからこそ、企業の皆様からパートナーとして信頼していただけると思っています。

 

岩渕:国内外で経験の長いトップレベルのクリエイティブ人材がいるのがグループの強みですね。博報堂DYホールディングスの戦略事業組織「kyu」は、「IDEO」や「SYPartners」をはじめ、ユニークな専門クリエイティブサービスファームを多数擁しています。ENND Partners自体、IDEOの名誉会長であるティム・ブラウン氏を共同創業者として迎えていますが、世界のトップ集団を引き寄せるのも、クリエイティブにおける博報堂DYグループの哲学があるからです。近年、クリエイティブ機能を備えるコンサルティング会社は増えていますが、高度な品質、国際的な広がりを併せ持つ博報堂DYグループは、グローバルで見ても唯一無二の存在。最高峰のクリエイティブ・ネットワークと連携できるENND Partnersは、新しい形でビジネスインパクトを創出できる提案ができると確信しています。

 

AI時代に高まる“人間性”へのニーズ

戦略と実行の乖離を埋める「人間性」というキーワード。AIが普及する近い未来では、いっそうニーズが高まると、岩渕氏は予想します。

 

岩渕:オペレーションや調整に関する業務はAIにより自動化され、より複雑な問題の解決力、高度な生産性、クリエイティビティやデザイン思考が求められるのは間違いありません。ここで欠かせないのが、人間性です。ENND Partnersが目指す「人間性と経営パフォーマンスの統合」とは、より人間中心的な視野で経営や経済、社会を捉え直し、斬新で大きなパラダイムシフトを起こすこと。既存の課題解決のみならず、未来への持続的成長も実現できると考えています。

 

“コンサルティング”と“ものづくり”の相乗効果が期待される両者の協業。新たなコラボレーションは今後、どのように企業や社会を動かしていくのでしょうか。

 

茂呂:プロジェクトを通じてさまざまな業務に携わるなかで、戦略と実行、ブランディングとデジタルマーケティングなど、本来つながるべき領域が、融合しにくく、時に分断されていると感じることが多くあります。
例えば、ブランドづくりやサステナビリティといった愛される領域は、”短期的成長”や”効率化”という視点で捉えると、どうしても温度差が生じてしまいがちです。しかし、それらは同じ会社やブランドを構成する欠かせない要素であり、愛される領域も成長を担う領域も、本来はつながるべきものだと考えています。
ENND Partnersと博報堂プロダクツの協業は、愛される人間性と成長を約束する経営を融合させることで、「愛される成長を実現する座組み」になると期待しています。
愛と成長、その両立を実現することで、企業も、社会も、そして生活者も、より豊かになっていくこと。それが、私自身の個人的なアスピレーションです。

 

岩渕:表層的なコンサルティングにとどまらないENND Partnersのプロフェッショナルサービスは、クライアントの本業をビジネスモデルから変革し、社会全体にもインパクトをもたらすと考えています。日本が活気で満ちていた昭和時代には、消費・製造と社会インパクトは一体でポジティブな循環が回っていました。現在は、日本の企業は規模があまりにも大きくなり、従業員と顧客接点、経営戦略と現場など、さまざまなところで意識や行動の乖離が生じています。もう一度、顧客起点での付加価値にフォーカスし、従業員がイノベーションを通じて社会インパクトを形作るという正しい循環を作ることができれば、まだまだ企業価値は向上するはずです。実現の鍵となるのが、人間中心の考え方とものを形にする力だと思います。

 

人間性に基づく発想は今後、経営やコンサルティングのスタンダードになるでしょう。私たちはその先駆者として、社会に価値を創造します。

 

戦略を構想する力と、その意思を現場で機能する形へと実装する力。ENND Partnersと博報堂プロダクツは、それぞれ異なる専門性を持ちながら、戦略と実行の乖離という企業共通の同じ課題に向き合っています。
人間性を起点に経営課題を捉え直すENND Partnersの統合型プロフェッショナルサービスと、生活者発想でものづくりを積み重ねてきた博報堂プロダクツの知見が掛け合わさることで、戦略と実行の間にあった分断は、実効性のある価値へと変わっていきます。

 

両社の協業は、構想と実装を分断せずに考える企業変革のアプローチとして、実効性の高い支援を可能にします。

 

ENND Partners CEO・岩渕匡敦と博報堂プロダクツ 取締役 常務執行役員・茂呂譲治の握手している写真