DX時代のBtoBデジタルマーケティング ー成果を生み出す3つのポイントー

ビジネスの成長には欠かせない「デジタルマーケティング」。昨今、業種・業界や企業規模を問わず、ビジネスにおける喫緊の課題になっている「DX(デジタルトランスフォーメーション)」との両輪でいかに成果を生み出すかが重要であると言われています。そこで、DX時代のBtoBデジタルマーケティングを成功に導く秘訣について、博報堂プロダクツの5事業本部それぞれの立場のプロフェッショナルに訊きました。

 

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DX時代に「BtoB企業が抱えがちな課題」とは

 

――はじめに、企業が抱えがちな課題にはどのようなものがあるか、教えてください。

 

田辺:ここ数年、DX関連の相談が急増していますが、「そもそも、何から手をつけていいかわからない」というお悩みも多く、人的リソースが不足していると思います。中小企業では社内にDX知識を持つ人材がいない、もしくは、いてもごく少数である場合がほとんどです。

 

加藤:BtoBのビジネスを行う企業に限りませんが、「社内の縦割り組織」が足かせになるケースがあります。縦割りが、データ活用の面でも、コミュニケーション面でも障害になってしまうのです。かといって、各々の組織ごとにDXに取り組んでしまうと、つぎはぎだらけのものになってしまい、結果としてUI/UXの良くないものができてしまう。そうなると、本来の業務効率化、収益の改善を目的としたところからかけ離れたものになります。つまるところ、DX推進には、社内の横連携を機能させることが肝心なのです。

 

――テクニカルな観点からはいかがでしょうか?

 

高井:BtoB、特にWebマーケティング分野でのコミュニケーション課題として、顧客視点ではなく企業視点でサービス、プロダクトを訴求することで、本来的な顧客ニーズとの乖離が生じてしまうケースが見受けられることでしょうか。顧客のインサイトを捉えた文脈とタイミングでコミュニケーションを設計し、UXを最適化していくことで、その乖離を埋められるのではないかと考えています。

 

デジタルプロモーション事業本部 高井 新平

 

田中:UI/UXの観点はやはり大きなトピックです。紙媒体であれ、オウンドメディアなどのWebサイトであれ、アプリであれ、そのインターフェイス(UI)を通して、どんなユーザー体験(UX)を提供するのかという視点です。ただ闇雲にデジタル化を進めても、コミュニケーションは最適化できません。BtoBビジネスにおいても、どのようなブランド価値を構築すべきかをまず考えることが大切です。

 

加藤:動画の面から注意したいのは、ひとくくりに「動画」と捉えないこと。ファネルやチャネルによって動画の機能や役割が異なることを理解した上で進めたいですね。動画化すること自体に満足しては意味がありません。ユーザーニーズを捉えながら、目的を明確化して動画を配置、活用することで「効果の最大化」を生み出せます。

 

大谷内:データを扱う私の立場からですと、データを集めたはいいが、分析してその後どう活用するかについてのナレッジが不足していることがよくあります。多機能なツールを入れたものの、結局活用しきれていない。先ほど「縦割り組織」という話が出ましたが、データは全社で活用して初めて価値が生み出せるのだと思います。

 

――皆さんのお話を聞いていると「そもそもDXって何のためにやるの?」という根本に立ち返ろう、ということですね。では、DXの推進も踏まえつつ、BtoBでのデジタルマーケティングで役立つTIPSとは何でしょうか?

 

TIPS 1 DXのゴールを明確化し、成果を「見える化」

TIPS 2 目的に応じて、リアルとデジタルを最適化

TIPS 3 DXの成否を分ける"横断的組織"の存在

 

 TIPS 1 DXのゴールを明確化し、成果を「見える化」

 

高井:まずは、そもそも何のためにDXを推進するのか? なぜ必要なのか? という点を理解することが大切です。そして、DXの結果「どんなことを実現したいのか」というゴールを明確にすること。ゴールが決まったら、あとは段階を踏んで進めていくことが重要ですね。一足飛びにDXが実現できるわけではないので。

 

大谷内:プロジェクトに関わる全員が共通の認識を持ち、同じ方向を向いているかは、常に確認しながら進めるべきですね。小さなテストマーケを繰り返すことで少しずつでもナレッジをため、徐々にスケールを拡大させていくことが重要だと思います。テスト毎のKGI・KPIを事前にしっかり定義し、テスト実施後の検証では良かった点・悪かった点を可視化しながら、だんだんと広く浸透させていくのです。

 

データビジネスデザイン事業本部 大谷内 翔平

 

加藤:結局DXは手段でしかないですからね。ひとつずつマイルストーンをクリアしていく感覚で、取り組みの成果を「見える化」する。それに合わせた最適な手段を講じることで、DX推進の後押しになります。

 

 TIPS 2 目的に応じて、リアルとデジタルを最適化 

 

――そもそも、人的なリレーションをベースにビジネスが進むことの多かったBtoB領域で、マーケティングをデジタル化するのはなかなか難しそうです。

 

田中:前提としてデジタル化すべき領域かどうかの線引きが重要です。例えば、今リモートワークはスタンダードな働き方になっていますが、リアルに集まって議論した方がアウトプットの質が高まるケースにおいてはリアル会議を選択するという風潮も出てきています。

人間の行う作業のうち、デジタルで効率化できる領域を特定して最適化する必要があると思います。

 

企画制作事業本部 田中 智樹

 

加藤:DXが、ビジネスを拡大するために必要なのかという観点での見極めが重要です。社内には、経営的視点と現場視点の両方があり、収益の改善、業務効率化の目的も異なります。これらを見極めた上で、これは即効性を期待するもの、これは中長期的な視野で行うもの、と分けて取り組む必要があります。

 

 TIPS 3 DXの成否を分ける"横断的組織"の存在 

 

――先ほど皆さんから「社内の縦割り組織」がDXを阻害するというお話が出ましたが、その対策方法はありますか?

 

大谷内:DX組織であり、かつ全社横断的な機能を持つ組織がプロジェクトのパイプとなってプロジェクトを推進していくことが、一つの重要な点だと思います。加えて、その組織の発信力の強さも重要なことだと思います。

 

高井:大谷内さんの言うとおり、DX専門の組織が、企業内の横連携をリードし、縦割りからの脱却を図るのが理想ですよね。ただ、そういう組織を作ること自体が難しい企業もあるでしょう。そんなときには、縦割り組織に「横串を挿す」私たちのような第三者を入れて、DXを推進していくことも検討していただければと思います。

 

田辺:社内向け、社外向けを問わず、きちんと機能する形でコミュニケーションを構築することにこそ、我々の強みが発揮できます。企業のみなさんのひとつの機能として、企業内部のインナーコミュニケーション活発化もお任せいただければと思います。

 

プロモーションプロデュース事業本部 田辺 洋一

 

博報堂プロダクツの力、そして「GRIP&GROWTH」の力をビジネスに

 

――博報堂プロダクツは、2021年よりグループ7社と連携し、顧客創造から獲得・支援までを一貫して行うためのソリューション「GRIP&GROWTH」を提供。BtoB企業のマーケティング領域でのDXをサポートしています。そこで、博報堂プロダクツの力を、DX推進に活用してほしいというお話を、もう少し詳しく教えてください。皆さんの「強み」はどこにありますか?

 

高井:先ほどお話しした課題ひとつひとつに対して、部分最適をするだけでは、期待する成果を得ることができないため、「GRIP&GROWTH」では、全体最適という視点でクライアント企業のビジネス成長を支援できるようにフルファネルでの総合ソリューションをご提供しています。私たちの大きな強みは、BtoBビジネスのノウハウを熟知したエキスパートがワンチームで、クライアント課題に向き合い、最適なプランをご提案できることです。

 

田中:toCマーケティングを主戦場にしてスタートした当社だからこそ、生活者向けのメソッドをBtoB領域に取り入れるなどの発想も可能です。特に、最近ではtoB専門の企業であっても、採用活動を意識して企業イメージを向上させようという場合には、「何をしている企業なのか」を伝えることが重要になってきています。そうしたケースではtoCのノウハウを応用したコミュニケーション設計が、大きな成果を生み出すはずです。

 

加藤:近年、動画コンテンツは急速に活用が進んでいます。動画は短い時間で多くの情報伝達が可能ですし、文字を読むよりも記憶の定着が良いと言われています。toC領域での活用がメインだった動画も、今後toB領域に展開することが普通になるはずです。私たちは、「3Aプランニング」(※1)などの独自メソッドも活用し、成果にコミットする制作力を持っています。

 

※1 3Aプランニング… 「Attention(注目)」「Awareness(気づき)」「Action(誘導)」の3段階に分け、動画視聴者のモチベーションが変化するのに合わせて動画の構成を設計する考え方のこと)

https://www.h-products.co.jp/topics/entry/2022/01/18/140000

 

動画ビジネスデザイン室 加藤 雄二

 

大谷内:立場上、DXプロジェクトの成功例も失敗例もたくさん見てきました。ですから、お客様には、成功するDXというだけでなく「失敗しないための進め方」を提示することができると考えています。また、データを活用した生産性の向上のお手伝いもできるのが私たちだと思います。

 

田辺:博報堂グループが掲げる「生活者発想」で、お客様の思いに寄り添い、ビジネスを成長させるお手伝いをいたします。たくさんの解決案の中から、お客様にマッチしたものをお届けできますので、まずは、ご相談ください。

 

 

■プロフィール

 

プロモーションプロデュース事業本部 プロデュース事業七部

部長 田辺 洋一

2007年博報堂プロダクツ入社。通信会社、プラットフォーマー等を担当。現在はHR領域担当としてリテール領域に限らずインサイドセールス、フィールドセールス領域でのプロジェクトにも参画。プロモーションプロデュース七部長として従事。

 

デジタルプロモーション事業本部 WEBマーケティング部

オウンド戦略プロデュースチーム チームリーダー/チーフWEBプロデューサー 高井 新平

2017年博報堂プロダクツ入社。博報堂プロダクツ入社以前は、Webサイト制作、ディレクション、プロデュース、営業までWeb制作におけるすべての工程を幅広く経験。Webインテグレーション、Webマーケティングにおける戦略設計やプロジェクト推進を得意とする。

 

動画ビジネスデザイン室

クリエイティブディレクター/アートディレクター 加藤 雄二

2004年博報堂プロダクツ前身の博報堂フォトクリエイティブ入社。自動車メーカーの広告・販促を中心に携帯キャリアから流通まで幅広く担当。企画制作事業本部から動画ビジネスデザイン室設立とともに現職に至る。(2019年 グループとなったタイの動画制作会社イマージにCCOとしてクリエイティブを指揮、2021年帰任)

 

企画制作事業本部

クリエイティブディレクター/コピーライター  田中 智樹

2009年博報堂プロダクツ入社。マス・デジタル・リアルを問わず、言葉を起点にしたアイデアで、ブランディングとプロモーションの両輪を動かすクリエイティブが得意。近年はUI/UXとSNSをテーマに、コピーライティングの可能性を拡張する社内プロジェクトを推進。

 

データビジネスデザイン事業本部

データアナリスト 大谷内 翔平

2015年博報堂プロダクツ新卒入社。データビジネスデザイン事業本部チームリーダー。入社以来データに立脚した戦略設計/PDCA管理プロジェクトを中心に数多くのクライアントを支援。近年はBtoB/デマンドジェネレーション領域プロジェクトを推進。