データビジネスデザイン事業本部参画プロジェクト 「独り立ちデータサイエンティスト人材育成プログラム (DS⁴)」2021年開催レポート ~マーケティング実務におけるデータ活用とは?~

独り立ちデータサイエンティスト人材育成プログラム (DS⁴)」は、代表校の大阪大学をはじめとし、連携校の神戸大学、滋賀大学、同志社大学が中心となり、産業界、地方公共団体と協力しつつ即戦力となりうるデータサイエンティストの養成を目指しています。DS⁴は文部科学省の未来価値創造人材育成プログラム「超スマート社会の実現に向けたデータサイエンティスト育成事業」の取組みとして実施されています。DS⁴では、様々な分野や場面において課題を発見し、データ科学的に解決の筋道をつけ、課題解決・価値創造に結び付けることができるDS人材育成の一環として毎年、連携企業等を講師に招いた講義や連携企業、地方公共団体等へのインターンシップの派遣を実施しています。
データビジネスデザイン事業本部は、連携企業として2019年からこの取り組みに参画し、これまでインターン学生の受け入れや大学への講師派遣などに携わってきました。

 

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昨年度はコロナ禍ということでリアルでの場がありませんでしたが、今年度はリアルでの講義およびインターンシップの受け入れが実現し、データビジネスデザイン事業本部では、大阪大学での講義2コマ、および学生2名の2週間のインターンシップの受け入れを実施いたしました。
3年目を迎えた2021年度では具体的にどのような取り組みをしているのか、また、これまでの成果や課題などを本プログラムに携わっている大阪大学 大学院基礎工学研究科 狩野 裕教授、インターンの学生、およびデータビジネスデザイン事業本部の横井 忠泰、大澤 神奈子に話しを伺いました。


■2021年インターンシッププログラム

2021年11月1日から2週間、大阪大学と同志社大学から2名の学生を迎えてインターンシップはスタートいたしました。ふたりとも、ビジネスでデータがどう活用されているのかを実践の場で学びたい、という思いがあり今回のインターシップに応募してくれました。

今回、インターンの学生には、実務で扱うものに近しいデータの分析を課題として取り組んでもらいました。
初日は、まず事業本部員がリードする形で仮説出しの議論を進めていき、2日目からはデータ構造理解からスタートし、仮説裏付けに繋げるための探索的分析業を自走してもらいました。

中日に開催された中間報告会では、リアルな現場に立つ事業本部員からのアドバイスや指摘があり、インターン学生は自分たちが立てた仮説を再考しなおすことを決めました。大きな方向転換をすることになりましたが、残りの時間を使って再度分析を見直したりするなどして、課題を仕上げていきました。

最終日には、インターン学生2名による課題発表会が実施されました。
2人の発表をきいた事業本部員からは、課題をここまで仕上げたことへの評価とともに、業務として進めていくビジネス現場視点でのフィードバックなど貴重なコメントや感想が多くあがりました。

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【事業本部員からの主なコメント】

  • 仮説検証からの流れがわかりやすかったし、初見のデータからきちんと短期間で調べられているのは素晴らしいと思う。
  • 具体的にゴールを描くことは、参加者全員の頭の中をそろえることでもあるから、こういった発表の場では必要不可欠なこと。その意識をきちんと持ち続けていてほしい。
  • レポートの説得性を高めるためには、きちんと仮説検証をしてひとつひとつ要件をつぶしていくことが重要なので、それを今後も意識していって欲しい。
  • 2週間という短い期間ではありましたが、リアルな数字をもとにした課題をやり遂げたこと、また、その課題を通じてビジネスの現場では大事とされる「分析の結果を出すことと、意思決定につながるレポートができることはイコールではない」という気づきを得られたのはとても有意義なことだったと思います。
    また、最初は数字から読み取れる結果に凝り固まってしまうところがあったようですが、課題を通じて広い目線で考えることが必要だと実感もしてもらえたようなので、より一層今後の二人の活躍に期待していきたいと思います。


【2週間のインターンシッププログラムを終えて:インターン学生の感想】

  • 2週間という期間はとても短く感じました。自身が学んできた知識を生かせればと考えていましたが、実際はデータを収集することに時間をとってしまうこともあり、なかなかそこまでに至らなかったです。
    インターン中の課題に取り組んでいく中で、自分で仮説をきちんと定義してからでないと答えを導き出すまでに至らないんだと実感しました。曖昧なものであっても、根拠をもって進めていくというステップがとても大切なことだと実感しました。
  • 座学で習った方法論を今回の課題では使うのかなと思っていましたが、実際は、データをきちんと持ってくる、探してくるといった基礎的な作業が中心でした。でもその基礎的な作業が大切だと実感しました。これまでは、データからのみ結果を導き出すのが基本だったのですが、実際のビジネスの場ではデータにリアルな生声を加味したうえで、最終的な結果を導き出していかないといけないことを学びました。今後いろいろなデータを触ることが多くなってくると思うので、携わるデータ元に対するアンテナを張り巡らせる必要性を感じました。

 

■2021年大阪大学講義/データ科学各論講義

DS⁴のカリキュラムのひとつであるデータ科学各論講義として、2021年11月13日(土)に大阪大学にてデータビジネスデザイン事業本部の横井忠泰とSNSデータ×AIのサービス開発を手がけるAIQの渡辺求様より、『データ活用の具体事例・プロセス・コツ・壁』について講義を行いました。

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横井からは、「データはマーケティングにどう使われているか」を軸に、プロダクツの業務領域の紹介も交えながらマーケターの仕事のプロセスを講義しました。また、講義中は、学生同士でのディスカッションの場を設けることで、抽象的になりがちな説明を少しでもわかりやすく体感してもらえるように工夫を凝らしながら行っていました。

講義を受けた学生からは、「マーケティング関連のことを考える機会はあまりなかった。これは、自分にとって新鮮でありビジネスを意識することにつながった。これから就職活動等にも役立つと感じた。」、「インプットとアウトプットをしながら講義を受けたため、普段の講義よりも自分の身になっている気がしました。」、「『相手の痒いところをかく』ということはこれまでも(うまくいかないながらも)意識してきたことであり、データ活用やマーケティングにおける文系出身の利点や戦い方を改めて見つめなおすことができた。」といった感想があり、今までにない視点での気づき・学びがあったといったコメントが多くみられました。

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最後に本プログラムの主催者である大阪大学 大学院基礎工学研究科 狩野 裕教授とデータビジネスデザイン事業本部からのコメントを紹介いたします。

 

 

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大阪大学 大学院基礎工学研究科 
狩野 裕教授

今までの大学は、マーケティングはマーケティングの中でスキルを磨いてきましたが、これからは外部からの“刺激”も大事ではないでしょうか。学生には、違いや多様性に興味をもってもらいたいのです。このことは、マーケティングの分野だけではなく他の分野でも同様です。『外へ出ることへの抵抗感をなくす。自分の専門分野の事柄を伝えるためのコミュニケーションの難しさを知る。』 こういったことを学部、大学院時代に経験してほしいと思います。
特に、データサイエンス(DS)の分野は、DSの専門家内の議論だけではなく、それ以外の分野に対しても積極的にコミュニケーションをとっていくべきだと考えています。DSは様々な分野で発生する課題を解決していくための方法論的要素が強いからです。本プログラムDS⁴では、そういった場をなるべく多く提供できるよう工夫しており、データ科学各論やDSインターンシップの提供もそうですが、学内の学生だけではなく様々なバックグラウンドを持つ学外者が履修できる仕組みを提供しています。
本プログラムの2021年度の履修件数は約100件で、昨今のコロナ禍を乗り越え、その数はプログラム申請時の予定履修者数を上回っています。大阪大学内に限っても、人文・社会科学系、生命系、理工情報系と様々な研究科からの履修があります。今までDS系へのキャリアを考えたことがなかった学生が、DS関連会社に就職し喜びの連絡を受けたこともあります。DS⁴の成功は、博報堂プロダクツを始めとする民間企業様のご協力も大きな要因になっています。大学や社会(企業)では、それぞれそこでしか知ることができない考え方・価値観があります。我々もインターンシップから帰ってきた学生には何を身に付けてきたのかを聞き教員としてのコメントを行いますが、加えて、学生から企業さんのお考えを伺い、教育のスパイスにしています。DS4に対する文科省の支援は2022年度一杯で終了してしまうのですが、このプログラムの考え方や場の提供は大切ですので、ある程度はスケールダウンをしますが、引き続き、本質部分を継承していく予定です。

 

データビジネスデザイン事業本部
データビジネスデザイン事業本部が立ち上がったタイミングでスタートしたこのDS⁴のプロジェクトは、今年が最後の年になりますが、引き続きこのような外部連携は継続していきたいと考えています。
学生を中心とした外部との接点の場で得られる視点の切り替えや考え方などは事業本部のメンバーにもとても刺激になっています。これらをもとに、データ利活用支援の組織として、プランニング×データサイエンス、クリエイティブ×データサイエンスの実践事例を、積極的に創出していきたいと思っています。

 

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