全日本DM大賞受賞事例に見る、エンゲージメント重視のDMクリエイティブとは?

データビジネスデザイン事業本部のクライアントである、PVHジャパンのトミーヒルフィガー様のDM制作が、2021年3月5日に発表された第35回全日本DM大賞において銀賞を受賞いたしました。今回、受賞したDMの制作ポイント・特徴を、データビジネスデザイン事業本部の西川暢一さん、カスタマーリレーション事業本部の中山貴大さんにお伺いしました。

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左から)データビジネスデザイン事業本部 西川暢一さん/カスタマーリレーション事業本部 中山貴大さん

受賞のポイント・分析力とクリエイティブのかけあわせ

西川)

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今回の受賞の大きな理由は、コンバージョンレートの高さです。受賞したDMによるレスポンス率は54.29%と50%を超えたことが大きなポイントだと受け止めています。クライアントの中ではこの高いレスポンスの数値だけでなく、ブランドイメージを崩さないクリエイティブの高さも評価していただき、今も継続的な案件として続いています。お付き合いさせていただいてから、かれこれ5年くらいになります。

クライアントが所有しているマーケティングオートメーションツール(MA)をともに並走する形で運用し、それを分析し具体的なクリエイティブに落とし込む、といった一連のPDCAサイクルを回していくという業務を請け負っています。

主に私たちのほうでは、MAで集まったデータの分析だけでなく、どういうタイミングで、どのようなターゲットで、どのようなアクションを起こしたらいいのかのスコアリングの設定も行っています。それらの分析をもとに、DMのグラフィックやメルマガのコピーなどのクリエイティブの部分を、インタラクションデザイン部(カスタマーリレーション事業本部)の中山さんのチームが考えるという座組でこの業務は成り立っています。

私たちのチームはアプローチタイミングやターゲットインサイトの仮説を導き出すことが主な役割です。それに対してどんな表現・コピーならば顧客に響くのか、については中山さんのチームのクリエイティブ力が必要になってきています。分析力とクリエイティブ力、それぞれの強みが掛け合わされたことで、今回のDMは高いコンバージョンを得ることに成功しました。

DMといえども、ブランド感を損なわないシンプルなクリエイティブにクライアントもよろこんでいますし、このあたりのクオリティはクライアントとも、密に連携しないとできなかったことなのかなと思っています。

 

中山)

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今回受賞したDMでは、クライアントが重視するブランド感を大切にしつつも、ダイレクトマーケティングの視点を随所にちりばめています。例えば、今回伝えるべきものは所有ポイント数とその有効期限なのですが、単純にそれだけ記載しても顧客(受け手側)には実感がわかないので、そのポイントであればどのくらいの買い物ができるのかを具体的な金額をもって、大きく明記しました。

デザイン上では「いかにもDM」という圧縮はがき形状ではなく、トミーヒルフィガーさんのブランドの価値を理解・体験してもらえるように、紙質とかに手触り感を重視した封書という形式にしているのもこだわりのひとつです。

ブランドと顧客とのエンゲージメントを高めながらも、買いたいという気持ちをどう作っていくのかのさじ加減が、このDM制作でのクリエイティブでは大切だと思っています。

 

新鮮な視点:エンゲージメントを高めるDM制作

西川)

トミーヒルフィガーさんでは、ターゲットに対してリテンションを深め、リピート購入、ファン化をつなげていくためにMAをどう使っていくのか、つまりいかに顧客とのエンゲージメントを高めるのかをとても重視しています。

 

中山)

インナーの会議でも常に“お客様”と言う、丁寧な言葉を使っていています。よくある“刈り取る”というワードも一切出てきません。

最終的にどのくらい売れたのか?ではなく、その前にある「お客さまと、どのようにつながっていけたか」という課題、そして商品が売れるまでの顧客のパーセプションチェンジをきちんと整理・分解し、どう気持ちや行動をナビゲートしていくのか、に重きをおいたコミュニケーションをとっています。

 もともとダイレクトマーケティングにおけるグラフィックは、エンゲージメントうんぬんよりも反応の有無に重きがあるイメージがあります。いまでは買わせるためのグラフィックテクニックや、それに知見が高いクリエイター・営業も増えてきています。だからこそ私たちのチームは、そのような旧来型のダイレクト的クリエイティブから、エンゲージメントを高めていくクリエイティブに、提供価値を見出すことを意識してきました。今回の受賞したDMはその取り組みの結果だと思っています。

 売り手と買い手ではなく、友達のような良好な関係性ができて、その先に服が売れるという体験価値の提供を、本業務では目指しています。

よくブランディングとダイレクトマーケティングは対極にあるといわれていますが、今回受賞したDMを通じてそれらは融合していく過程にあるのかなと感じます。

 

西川)

コロナ禍においては、さまざまなマーケティング活動も制限されがちですが、逆に今だからこそできる顧客とコュニケーションによって、さらに強いエンゲージメントが顧客とクライアントの間に作り上げられ、次の様々なマーケティング活動につながっていくことが可能になってくると思います。

今後はDMとメールだけでなく、ライブコマース、バーチャルショップなどで地方のお客様に対してのニーズに応える手法も、エンゲージメントという視点でどんどん提案させていただきたいと思っています。

 

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