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博報堂プロダクツの各コア事業が追求している専門技術を駆使した新しい取り組み、
最新ソリューションおよびプロフェッショナル人材などを紹介します。

“売れる”だけじゃない。心に届く商品開発【Close Up!P Value Vol.21 商品開発編】

Products、Professional、Playful、Personal、Pride… 
そんな、博報堂プロダクツの多彩な「P」をお届けする公式YouTube「Close Up!P Value」シリーズと連動したインタビュー記事を公開中。17事業本部・100職種以上のプロフェッショナルたちが、それぞれの“専門性や提供価値”を、お届けしています。 

 

Vol.21では、商品開発サービスを手掛けるMDビジネス事業本部の田中 将平、橋本 千里が登場。総合制作事業会社が開発する商品の価値、プランニングから製造、販売に至る広範なプロセスについて紹介します。

 

2人のインタビュー動画はこちらからご覧ください!

Close Up! P Value vol.21 インタビュー動画のサムネイル

 

全てのプロセスを一気通貫で担い
生活者の手元に価値を届ける

――企業の自社商品開発を支援すべく、博報堂プロダクツが展開しているのが「商品開発サービス」だ。なぜ、広告やプロモーションを手掛ける総合制作事業会社が商品そのものを開発するのか。プロデューサーを務める田中 将平は、「マーケティング」「企画」「ブランディング」「プロモーション」の四つの点で価値を提供できると、チームの独自性を説明する。

 

田中:広告やプロモーションを手掛ける会社に商品開発のイメージは薄いかもしれませんが、私たちは常に商品の展開方法を生活者視点により市場サイドから模索しており、豊富なマーケティングデータを蓄積しています。また、博報堂プロダクツではこれまで、景品やノベルティを数多く手掛けてきました。日々膨大なアイデアと製作実績から、幅広い視点で企画を提案することが可能です。そして、商品が人々や社会に与える効果を緻密に考え抜くブランディングも、数々の広告・プロモーションを手掛けてきたノウハウを生かせます。本業であるプロモーションの知見は、売上を担保し、プロジェクトを成功に導く上で欠かせません。

 

MDビジネス事業本部 プロデューサー 田中 将平

 

――エンドユーザーに近い広告・プロモーション領域の強みに加え、総合制作事業会社である博報堂プロダクツの力も発揮される。商品開発の各プロセスを一括で手掛けられることだ。

 

田中:企画、デザイン、プロモーションをそれぞれ別々の会社に委託すると、商品の世界観にズレが生じ、企業と生活者の間にギャップが生じてしまうこともあります。意図せぬ商品を市場に出さないために、私たちは初期のコンセプト設計から販売まで、伴走型の支援を提供しています。クライアントも、「ヒット商品をつくりたいが、開発の経験がない」「構想はあるけど、デザインやコピーに落とし込めない」「大型予算のプロジェクトなので、失敗は許されない」など、課題となる領域は異なります。私たちは全てのプロセスを担うことで、複合的に課題を解決していきます。

 

――具体的には、五つのプロセスに分類される。まず「調査・プランニング」では、市場ニーズやトレンドを分析し、クライアントの課題に対し最適なコンセプトを設計。次に「検証」では、モニタリングやインタビューにより市場の意見を収集することで、実装時の見落としを防いでいく。

 

5つのプロセスに関する図

 

田中:一般的に“調査”というと、インターネットでの資料収集を思い浮かべるかもしれません。しかし机上のデータにとどまらず、“ターゲットのリアルな視点”にまで踏み込むのが、私たちのチームです。例えばアニメであれば、初回から全話を見直し、原作の漫画、キャラクター関連製品、競合コンテンツもチェックしファン視点からの企画出しもします。またプランニングの段階では、数十のアイデアを出すブレストを10回以上は行い、さまざまな角度から企画をブラッシュアップ。同時に、50〜60項目から成る点検シートをクライアントに記入していただき、ターゲットを緻密に設定しながら、商品設計に落とし込んでいきます。

 

――「プロダクトデザイン」の工程を担うのは、専門的な技能を備えるデザイナーたちだ。制作スタッフも企画段階から参画し、構想と実装のギャップを埋めていくのも、博報堂プロダクツの特徴である。そして「製造」では、国内外に広がるネットワークにより、高品質かつ低コストで量産する体制を整備。「販売」では、総合制作事業会社としての連携力を動員し、CMやイベント、ECサイトの構築、SNSやクラウドファンディングによるコミュニティ形成など、幅広い手法の中から最善策を選んでいく。

 

田中:特に設計や製造では、アイデアやクリエイティブだけでなく、機能性や安全性にも責任を持ちます。社内の品質保証部と連携し、厳正な試験を重ねながら、結果をクライアントにも報告し、安心・安全に使っていただけることを確認するのが大前提です。また近年は、環境配慮やインクルーシブデザインを取り入れるケースが増えてきました。社会的なニーズをいち早く取り入れ継続的なものづくりを実装できるのも、当社の得意とする部分です。

 

――プロデューサーとして商品開発の全工程に携わる田中は、売上を最大化するビジネス的視点ともに、クライアントの「わくわく」も共有することを、常に心掛けていると語る。

 

田中:商品開発が数値的な成功を収めれば、クライアントにとって新たな事業の柱が生まれていく。そうした企業としてのマインドは、忘れるわけにはいきません。しかし同時に、クライアントと日々接していると、心の奥底からエモーショナルな想いが伝わってきます。誰もが生活者の一人であり、最終的に人を喜ばせたい気持ちは同じ。そこを互いが見失わずにいると、長く愛される商品が生まれたりするんです。

 

――デジタル社会の中で、モノのあり方が変わりつつある。田中は今後、どのような価値提供に挑戦していくのだろうか。

 

田中:YouTubeを見て好きになったアーティストがいたら、ライブに足を運び、グッズを購入する。そんな行動が今も続いていることからも、時代がどんなに変わっても、ものづくりの価値は揺るぎないのかもしれません。むしろデジタル技術になり、皆がモノを簡単に受け取れるからこそ、商品開発の存在感は大きくなるでしょう。間口の広がりを生かしながら、生活者が商品を手にした際、その価値をしっかりと感じてもらえるよう、これからも最適なソリューションを提供していきたいですね。

 

商品のカタチに命を吹き込む
徹底されたプロダクトデザイン

――商品開発チームの扱う領域は多岐にわたる。プロジェクトは、BtoC企業の新商品をはじめ、BtoB企業やサービス関連企業における新規事業、自治体による魅力発信の商品やふるさと納品の返礼品にも及んでいる。商材も、食品、日用品のようなグッズから、機械などの大型機器まで、幅広い。これら全ての設計を担うのは、チームに所属するプロダクトデザイナーやクリエイティブディレクターだ。その一人である橋本 千里も、「守備範囲は決めていない」と自認する。

 

橋本:オリエンから同席し、コンセプトから考える案件もあれば、方向性が決まった商品のスタイリングに特化するケースもあります。入社以来、キャラクター開発や化粧品・飲料のボトルやパッケージデザイン、など、幅広いデザインを手掛けてきたので、その経験が商品開発に生かされています。どのような商品も、デザインにおける本質的なアプローチは私の中では同様です。お話さえいただければ、自動車なども担当できると思います。

 

――美術大学出身の橋本は、プロダクトデザインを追求しながらキャリアを歩んできた。数々の商品を手掛ける中、大切にしてきたのは「手触り」だという。

 

橋本:プロダクトデザインで大事なのは、実際に使うユーザーとの関係性です。今はほとんどの工程がコンピューターでできてしまいますが、最後は実物になる以上、手に取った時の質感や重さ、光があたった時の色や陰影など、細部を確かめていかなければなりません。そのため私は、“手で考え、心でつくる”ことを念頭に、実物を確かめながら制作しています。0.1mmのカーブの有無の必要性をクライアントとお話する際、実際にモックをつくってご提案したこともありました。

 

――橋本のデザイン思想が表れているソリューションが、「カタチのデザインツール」だ。博報堂プロダクツ MDビジネス事業本部に所属するプロダクトデザインチームが、手にした際の感覚や陰影の美しさを研究するために開発したツールで、円柱と板形状による100種類ものフォーマットが用意されている。商品開発ではデザインの提案時、実際に触りながら感覚を共有するツールとして活用されている。

 

「カタチのデザインツール」円柱のフォーマット画像

 

「カタチのデザインツール」板形状のフォーマット画像

 

橋本:色やフォントには見本帳があるのに、カタチにはないと思ったのが、開発を始めたきっかでした。例えば容器を提案する時、3Dモデリングで仕上がりのイメージを提案するケースが多いのですが、「本当に持ちやすく、使い心地が良いのか」「握った瞬間の感触はどうか」「実際に空間に置かれた時に、どのように見えるか」といった、細部までを画面上のみで伝えるのは難しい場合があります。「カタチのデザインツール」は、溝の深さ、凹凸の角度、アクセントとして取り入れる柄などを検証でき、触りながら考えクライアントと我々でリアルな感覚を共有しながら開発を進めることができます。

 

――「カタチのデザインツール」は、幾何学、自由形状、自然、和柄など、ユニークなモチーフが用意されている。

 

橋本:「葉脈をスキャンしたらどうなるか?」「和柄を立体にしたら面白いのではないか?」と、チームで試行錯誤しながらバリエーションを増やしていきました。触れることができない「雲」、目に見えない「風の流れ」など、空想の形状をデザインに落とし込むケースもあります。


――モノの質感や佇まいを徹底的に見つめる橋本。プライベートでも、さまざまなカタチについて考えることが趣味だという。

 

橋本:例えば休日にカフェで過ごしている時、日光のあたり方、家具の配置、椅子のデザインなど、隅々まで眺めることでデザインのアイデアが生まれることがあります。自宅には趣味で集めている化粧品ボトルのコレクションが多数あり、窓際に置いて陰影を楽しんでいます。その他にもキャラクターをデザインする際は、可愛いフォルムの原型に愛犬のしぐさから取り入れるなど、日常空間に溢れている発見を、幅広い商品の開発に活かしていくのが、プロダクトデザインの面白さだと思います。

 

MDビジネス事業本部 クリエイティブディレクター/プロダクトデザイナー 橋本 千里

 

田中:プロデューサーとプロダクトデザイナーによるチーム体制で、企画・デザイン・製造、またその際の販売まで一気通貫で支援する体制を整えています。
想いや構想はあるが動き出せていない、何から始めたらいいか迷っているという段階からでもぜひ一度お気軽にお問い合わせください。

 

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博報堂プロダクツ 公式YouTubeチャンネルでは、今回登場した2人のインタビュー紹介動画も公開しています。こちらもあわせてご覧ください!

 

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