総合制作事業会社である博報堂プロダクツは、18の事業本部にわたる幅広い領域でソリューションを提供しています。価値創造の中核を担うのは、90以上の専門職を構成する2,000名以上の人材です。
博報堂プロダクツ 公式YouTubeチャンネルでは各職種の提供価値をお伝えすべく、新シリーズ「Close Up! P Value」をスタート。デジタル、リアル、映像、コマース、先端テクノロジーまで、多彩なプロフェッショナルたちの姿を紹介していきます。そしてコーポレートサイトTOPICSでは、YouTubeで語られた内容をさらに深堀りするインタビュー記事を公開していきます。
初回にあたるVol.0では、事業企画室の石田眞規が登場。そもそも博報堂プロダクツは、どのような会社であり、どのような価値を提供しているのか。連載のイントロダクションとして、事業の全体像を解説します。
多様なニーズに対応する、領域追求型のプロフェッショナル集団
――国内外唯一の総合制作事業会社を目指す、博報堂プロダクツ。18の事業本部に対して統括的な戦略を設計するのが、事業企画室だ。石田眞規が2005年の入社以来、広告業界に身を置く中で感じてきたのは、生活者や社会の著しい変化だった。
石田:私がキャリアをスタートさせたのは、マスメディアが力を持っていた時代。一つの巨大なプロモーションが、多くの生活者の心を動かしていました。しかし2010年代、20年代と時が流れ、メディアの形は多様化。クリエイティブにもバリエーションが求められるようになっています。特にデジタル領域は顕著で、例えば一口に“デジタルネイティブ”といっても、時代が進むにつれて常識が変化し続けていて、10年も経つとデバイスもソフトウェアもルールが全く異なります。多様化したターゲットに対し、どのようなメッセージを届けるべきか。その戦略が複雑化しているのは間違いありません。
――生活者の行動変容とともに、変化を求められるクリエイティブ。単に多様なメディアに対応するだけでなく、精緻なコミュニケーション設計も必要だと、石田はつづける。
石田:商品やサービスがコモディティ化するほど、プロモーションのあり方は問い直されるべきです。『商品Aを買いに出掛けたものの、店頭で手を伸ばす瞬間には商品Bを選んでいる』といった消費行動は、そうしたケースの最たる例でしょう。購買に結びつけるためには単一的なプロモーションでは不十分で、口コミやカスタマーコンタクト、接客時の対応まで、生活者のさまざまな体験がプラスに働かなければなりません。そうした意味で、私たちが提供すべきクリエイティブの範疇も、サービスのインターフェース全体へと広がっていると感じています。
――生活者やメディア、テクノロジーとともに、クライアントの事業課題も変化している。背景にあるのは、企業の枠組みを超えた社会構造や世界的潮流だ。
石田:当社の事業の本質は、クライアントの課題解決です。ゴールはブランドや売上の向上であることが多く、そのプロセスには多くの要素が含まれます。サステナビリティやダイバーシティ、直近では物流の2024年問題や円安・物価高など、一つの企業だけでは解決できない課題も多いです。複雑な事業環境に対して適切なソリューションを提供することが、いっそう重要化していると実感します。
――複雑・多様化するニーズに応えるには、バリエーションに富んだ手法と技術が必要だ。こうした時代における博報堂プロダクツの強みは、「高度な専門性を備える人材」だと、石田は確信している。
石田:当社では、Webプロデューサーやコマースプロデューサー、デザイナー、コピーライター、フォトグラファー、印刷・什器の専門家まで、それぞれの領域を追求する90以上の専門職種を設定。各職種を構成するのは、『AIに強いテクニカルディレクター』『イベントに精通したクリエイティブディレクター』など、多彩な個性や実績を持つ人材です。社員として在籍していることも特徴で、一つのプロジェクトが始動する際には、クライアントのニーズに合わせた最適なチームを、オーダーメイド式に編成できます。個々の得意領域を活かしながら課題にアプローチすることで、ソリューションの効果を最大化しているのです。
――では、多彩なプロフェッショナルを結集することで、どのように価値が生まれていくのか。次に具体的に見ていこう。
“こしらえる力”と“売りのノウハウ”を掛け合わせ、新時代の価値を創造する
――博報堂プロダクツは、フィロソフィーとして「こしらえる力」を掲げている。一人一人の専門性と実施力は、創業時から源流として受け継がれてきた。
石田:当社は2005年、博報堂グループにおけるプロモーションの実施部隊として創業しています。表現や技術からなる専門性と、予算やスケジュール、安全性を徹底管理する実施力は、こうした環境下で培われました。そして会社を大きく飛躍させたのは、“顧客化力”をコアコンピタンスに据えた2009年です。購買の最大化に注力したことが、転換点となりました。
――一般的なプロモーションでは、企業と顧客の接点をつくることが目的とされる。一方の“顧客化力”は、その接点を確実に購買につなげていく力だ。「純粋な専門技術にとどまらない、顧客課題の本質に迫る姿勢」を意味すると、石田は説明する。
石田:各事業が追求する“こしらえる力”と、売り場における生活者心理や流通動向といった“売りのノウハウ”を掛け合わせ、さらにデータベースマーケティングと次世代テクノロジーを組み込むことで、私たちは“顧客化力”を実現しています。制作会社というと、表現だけを追い求めるクリエイター集団とイメージされがちですが、結果や数値にも真摯に向き合うことで、新たな時代のプロモーションを創出できるのです。
――“こしらえる力”と“売りのノウハウ”の掛け合わせを可能にするのは、領域の異なる人材間の連携だ。18の事業本部が横断的につながることで、着実に施策の効果を高めていく。
石田:例えば『店頭でエンドユーザーが商品に手を伸ばすこと』を、施策のゴールとしましょう。棚づくりのクリエイティブ一つとっても、入店前、入店時、商品を目にした時と、消費行動には“遠・中・近”があります。そうしたロジックに沿って什器やPOPのビジュアル、コピーを設計できる力が、当社の専門性にあたる部分です。さらにそこへ、Webや映像によるプロモーション展開、人材派遣による商品説明会といったイベント、商品パッケージや売り場全体の改良、メタバースによる顧客体験の拡張など、複層的な手法で購買を最大化するのが、チームの連携力。それぞれの専門性が掛け合わさるシナジーこそが、当社が唯一無二の総合制作会社である所以です。店頭、イベント、デジタルには数多くの専門プロダクションが存在しますが、統合ソリューションという点において、圧倒的な強みがあると自負しています。
――こうした戦略は、単発的な売上にとどまらず、継続的な顧客獲得、ブランド向上にも貢献すると、石田は考えている。
石田:リカーリングビジネスに注目が集まっていますが、消費者にとって有意義な体験は、なかなか単発では提供できません。認知、興味・関心、購入から、リピーター化、ファン化、インフルエンサー化に至る、ダブルファネルの戦略も、継続的に顧客とのリレーションを強化する必要があります。長期的な成果を上げるためには、クライアントとの伴走が不可欠です。当社は課題発見、戦略設計、ソリューション提供、効果検証を通じて、クライアントの事業成長、企業価値向上に寄与したいと考えています。
――石田自身も、デジタル領域のプロデューサーやプランナーとしてキャリアを歩んできた一人だ。数々の案件で協働した人材の魅力を伝えるべく、最近は広報活動にもコミットしている。
石田:総合制作事業会社の特長は、カバーする範囲が広い分、どうしても伝わりにくい。でも、社内の人材は本当に専門性が高く、何より仕事を楽しんでいる人が多い。そんな“Professional”たちの譲らない“Pride”、”Playful”なクリエイティビティ、”Personal”な一面を、もっと知っていただきたいと、動画と記事の連載シリーズ『Close Up! P Value』を企画しました。次回以降は各領域のプロフェッショナルが登場しますので、ぜひご覧ください。
博報堂プロダクツ 公式YouTubeチャンネルでは、今回登場した石田眞規によるシリーズ紹介動画も公開しています。こちらもあわせてご覧ください!
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