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博報堂プロダクツの各コア事業が追求している専門技術を駆使した新しい取り組み、
最新ソリューションおよびプロフェッショナル人材などを紹介します。

地方自治体・事業者のDX・ECをフルファネルサポート ー「地域DXソリューション」が提供する価値とはー

 

株式会社博報堂DYホールディングスのEC領域に特化した組織横断型プロジェクト「HAKUHODO EC+」は、日本全国の地方自治体・事業者のDX・EC支援を行うための「地域DXソリューション」の提供を開始しました。本ソリューションは、過去数年間にわたって「HAKUHODO EC+」が地方自治体・事業者に対して行ってきた支援実績をもとに開発された6つのDX・EC支援ソリューションで構築されています。今回、この「地域DXソリューション」について、リーダーである博報堂 ショッパーマーケティング事業局の桑嶋 剛史氏と、博報堂プロダクツ カスタマーリレーション事業本部の菅 真輝の2人に話を聞きました。

 

 

地方の課題に向き合ったEC・DX支援領域の開発

 

──まずは、「地域DXソリューション」が開発された背景を教えていただけますか?

 

桑嶋
この数年間、HAKUHODO EC+が行ってきた様々な地域の自治体や事業者へのご支援のなかで、地域の課題をきちんと理解して、それにあった支援体制・ソリューションをご提供することの重要性が浮き彫りになってきました。キーワードとしてあるのは、「人材育成」と「過不足ない支援体制」です。パンデミック以降の生活者の行動変化に伴い、各地域の事業者がエリアを越えて販売できる可能性が拡大しています。その一方で、DX化に対応できる人材や知見、体制の不足が各自治体や事業者にとって、大きな悩みになっているとわかりました。これに対し、各自治体・事業者の方々が将来的に自走するためのDXスキルアップを行う「人材育成」と、コスト・体制含め、適切な形でサポートを行う「過不足ない支援体制」が重要だと考え、当ソリューションを開発いたしました。
地域創生のご支援を長らく行ってきた博報堂DYグループだからこそ、デジタル田園都市国家構想など国が地域のDXに注力している今、なにを提供することで皆様のお役に立てるのか?そうした想いで活動しています。

また、当ソリューションは6つのメニューで構成されていますが、どれも実際に、地方自治体/事業者様への支援実績をベースにブラッシュアップされたものになっています。

 

 

6つのソリューションからなる「地域DXソリューション」とは

 

──「地域DXソリューション」としてリリースされた「産地直送ECモール立ち上げ」「EC事業診断」「ECモール運用代行」「新商品開発」「地域ライブコマース」「地域DX教育ソリューション」という6つのソリューションの概要を教えていただけますでしょうか?

 

 


まず、「産地直送ECモール立ち上げ」ですが、これはまさに博報堂と博報堂プロダクツが進めてきたEC業務を総結集したソリューションといえます。地域の産業を盛り立てる地域物産品を扱う産地直送のECモールをつくるために、事業戦略の策定からモールの構築と運用、事業者の加盟促進、受発注管理から物流までのフルフィルメント、そして認知獲得までをフルファネルで支援するものです。

加盟店の促進に関しては、グループ会社のセレブリックスと協業して営業活動を行うことで、出店する会社を集めることも可能となっています。また、ECモールの構築については、お客様から「こういうカートを使いたい」、「こういう決済方法を使いたい」「複数店舗の買物を同時決済にしたい」などの多様なニーズに応える作り方ができます。その制作体制と対応スキルを持った人材、さらにワンストップで対応できるスキームを持っています。物流に関しても、同じくグループ会社である日本トータルテレマーケティングと協業しながら商品のピックアップから配送まで対応できます。その先のカスタマーサポートについては、博報堂プロダクツ内でもセキュリティが整ったコールセンターを持っていますので、そこで対応できますし、有人無人各種のチャットボット対応も可能です。
6つのソリューションのなかでも、博報堂プロダクツの強みが特に発揮されているのがこの「産地直送ECモール立ち上げ」だといえるのではないかと思っています。それぞれの領域にプロフェッショナルが存在する。それが博報堂プロダクツの強みでもあります。

 


菅 真輝
博報堂プロダクツ カスタマーリレーション事業本部 本部長補佐

 

 

桑嶋
他の5つのソリューションについての概要を簡単にご紹介します。まず「EC事業診断」ですが、こちらはECビジネスの立ち上げ/改善を考えている事業者向けのパッケージです。ECビジネスをやってみたいけれど、事業計画やチャネル戦略の初期の部分で不安を覚え、その部分の目利きをしてほしいという相談をいただくなかで、「うちの会社がECをやっていいのかわからない」と初期の見定めを依頼されるケースも多いです。そこで、我々チームの経験豊富なコンサルタントが初期の「見定め」のお手伝いをさせていただくものになります。

次に「新商品開発」ですが、地域の事業者や自治体が力を入れている特産品開発を、事業計画策定から商品設計、そしてそのあとの流通への広がりまで一気通貫で支援するソリューションです。PR・販促予算が限られるケースの多い地域特産品の開発において、EC上でのテストマーケティング→そのあとのデジタル上での広がりという手法の重要性は増しています。実際に我々は地域の事業者支援において、こうした手法を用いてヒット商品を開発した事例もあり、そのダイナミズムを皆様と分かち合いたいと思っています。

 


「新商品開発」のソリューションでも『ものづくり』という視点で博報堂プロダクツの強みが発揮できると考えています。コンセプトワークから事業者と共に行い、パッケージデザインや販売設計、その先のコミュニケーションまで一気通貫で支援することが可能です。社内にクリエイティブのプロフェッショナルであるプロダクトデザイナーやコピーライター、そしてECディレクターなどの人材がいることで、より「売り」に繋がるアウトプットを創出できることになります。それが博報堂プロダクツだからこそできる提供価値ですね。

 

桑嶋
「ECモール運用代行」は、新規の自社立ち上げと比べてハードルが低い、ECモールでの出品・出店について、運用代行モデルも含めて支援するソリューションになります。人手や専門性が必要となるECモールの運用について、適切な価格でご支援をさせていただき、最終的には事業者側が自走できる体制を目指します。
そして、「HAKUHODO Live Commerce+」という専門組織が地域の特性を生かした企画運用を行う「地域ライブコマース」では、博報堂DYグループがもつ放送局やキャスティングのネットワーク、ライブコマースの豊富な経験則を駆使して、各地域に特化した企画を立案させていただきます。

 


この「地域ライブコマース」でも、動画配信だけではなくアーカイブの作り方や最終的にはどう決済に繋げていくのか、売場であるECサイトへの繋ぎ込みや、さらにはその購買データをどう活用していくのか、そのための全体設計から動画制作・運用までを博報堂プロダクツでは担っていくことが可能です。

 

桑嶋
そして6つ目の「地域DX教育ソリューション」ですが、「経営層向けEC講座」「現場担当者向けDXスキルアップE-ラーニング」「EC担当者向けハンズオン研修」の3つのカリキュラムに分かれております。将来的には事業者や自治体が業務を内製化できるように、各方面のDX人材を育成することを目的としています。

 

 

DX・EC支援を通じて、地域の未来づくりへの貢献を目指す

 

──事業者だけではなく、地方自治体も視野に入れている理由を教えていただけますか?

 

桑嶋
ここ2、3年の取り組みのなかで、地域の事業者が抱える課題を知ることができましたし、事業者だけを対象にして実施できる地域の産業支援には結構限りがあることもわかりました。DXを活用する支援は、事業者単体では難しいけれど自治体と組むことで可能となることも多いのです。一方、自治体は事業者支援としていろいろなプログラムを実施したいけれど、そのためのパートナー探しに苦心されていました。それぞれの課題に対して「地域DXソリューション」を活用すれば、事業者と自治体の両者をご支援することができる。そして最終的には、事業者が自分たちでビジネスを展開し、成長させていくお手伝いができればと考えています。

 


桑嶋 剛史
HAKUHODO EC+ ビジネスコンサルタント/地域DXソリューション リーダー
株式会社博報堂 ショッパーマーケティング事業局 イノベーションプラニングディレクター

 

 

──「地域DXソリューション」は産直ECモールの立ち上げや運用への支援だけではなく、自社単独でのECサイト運用を希望される事業者への支援も行われるのでしょうか?

 

桑嶋
HAKUHODO EC+のモットーは「お客様の事業成長を支援する組織であること」です。きれいごとに聞こえるかもしれませんが、自分たちの利益追求に走るのではなく、お客様と一緒に課題解決に取り組み、その結果としてECビジネスで成功することが、最終的にわれわれの利益にも繋がる。そういう広い視点を博報堂DYグループが持っているのだと思います。

 


ここ数年、社会課題の解決にも企業がきちんと向き合うことが必要とされてきています。利益重視の姿勢から社会的価値を持ったうえで成長していくという価値観の転換機を迎えた企業も多くなってきたと実感していますし、博報堂プロダクツも博報堂DYグループの一員として、お客様のそのような動きに並走することが大切になってきていると思っています。
博報堂プロダクツでも、DXを活用した社会課題の解決に向けて「地域DXソリューション」を中心に様々なDX・ECの事業支援を通じて、地域の未来づくり、企業の成長に貢献していきたいと考えています。

 

 

 

【プロフィール】

桑嶋 剛史
HAKUHODO EC+ ビジネスコンサルタント/地域DXソリューション リーダー
博報堂 ショッパーマーケティング事業局 イノベーションプラニングディレクター

2015年博報堂入社。通販事業の運営チームを経て、現所属。食品・消費財・化粧品を中心に企業のEC支援を担当。米国Kepler社への短期出向後、2020年にチームに復帰。ECを軸とした、事業全体やデジタルトランスフォーメーションの戦略作成・コンサルティング業務に従事している。

菅 真輝
博報堂プロダクツ カスタマーリレーション事業本部 本部長補佐

2005年に博報堂プロダクツへ入社以降、長年制作営業に従事。飲料食品メーカー等を担当後、2020年よりEC領域を中心としたOMOセクションを兼務し、2022年よりダイレクトマーケティングを担う現事業本部へ遷る。EC事業対応をはじめダイレクトビジネスの拡張を推進し、コマース事業全般のプロジェクトマネジメント推進を行っている。