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コマーシャル・フォト8月号「魅惑の黒バック」 表紙・中面作品をフォトクリエイティブ事業本部が撮りおろし!! 計23ページにわたる特集解説ページも制作!!

コマーシャル・フォト8月号(7/15発行)の特集タイトルは
「魅惑の黒バック」

 

黒バックを活かした撮影の企画をフォトクリエイティブ事業本部で募り、
選ばれたフォトグラファーが表紙・中面作品を撮影。
レタッチャーとともに作品を完成させました。

 

特集の解説ページもフォトクリエイティブ事業本部が担当。
「黒バック」の基礎編、実践編ページとして解説しています。

 

制作を担当したフォトグラファー、レタッチャーよりコメントがあります。

 

表紙

 


フォトグラファー 岩切浩三郎 他作品はこちら
「黒バックでの人物撮影」「カラー写真」「引き込まれるような写真」という3つのお題とともに、オファーを頂きました。テーマを考えるにあたり、黒を背景にして撮影することの意味から考えました。黒とは色味や要素が削ぎ落とされた空間であり、ライティングの意図を鮮明に出しやすい、だからこそ被写体を注視する状況を作れるのだ、と私なりの答えを出しました。画は抽象的ではなく、ストレートでインパクトのある写真を狙い、カラーであるが、一見モノトーンに見えるような工夫を施しています。輪郭の曲線美を意識しながら、ライティングとフレーミングを行い、超高精細に撮影しました。静寂な空間とも取れそうな漆黒の中で、女性の美と繊細さが浮かび上がり、観る人を引き込む作品に手応えを感じています。






 

 
レタッチャー 岡直人 他作品はこちら
今回黒バック企画に参加させて頂いた。背景は黒、被写体のみをライティングするというシンプルな内容であり、写真表現の根幹を成す題材に自分はどう応えるべきかとても悩みました。考えに耽ったり写真集をみたりうろうろしたり。消化できていない疑問を抱えながらペンタブレットに向かってみたりもしました。その結果、行きついたところは自分がいつも行なっているシンプルな事柄でした。被写体のディティールを大切にして雑味はおさえ、主題を背景から浮き上がらせることです。まつげの一本一本までこだわって仕上げています。たくさんの方々にこのビジュアル、作品を観て頂けると幸いです。





中面ページ 作品
「LACE」

 


フォトグラファー 長野柊太郎 他作品はこちら
今回コマフォトに掲載いただいた「LACE」は人間を表現する作品として以前から制作しているシリーズです。人間や身体を撮る=肌や生っぽさではなく、もっと大きな意味で人間を捉え、視覚化することを目指しました。そこで考えたのがレースで身体を浮かび上がらせる方法です。レースとは遡れば古代エジプトにおける日用品の「かがり」の技法が進化したものと言われ、時代によっては身に付ける人の社会的地位を示す役割を持つなど、ただ布や革で体を守るということから、人間が発展してきた文化の象徴のように思えます。文化の象徴である「レース」で型取られた男女二人が手を取り合うシーンを描くことで「人間」を表現しました。




レタッチャー 中里有貴 他作品はこちら
繊細で美しいレースがいくつも重なって曲線を描き、レースだけが存在している空間の中で、男女の人間の形が浮かび上がっている様がこの作品の見所です。撮影時は実際にモデルにレースを巻きつけ、あとからレタッチでレース意外の部分を消し、見えていなかったレースの部分を合成で作っています。一箇所一箇所、合成になり、レイヤーの数がとても多くなるので、管理しやすいようにレイヤー構成に気を付けながら制作しました。男性の右腕から女性の左腕まで続いている一本のレースの有機的な表情を特にこだわりました。レース選び、モデルのポージング、合成に使用するレースの素材撮りがとても重要なポイントになりますので、現場では制作チームで一緒に考えながら撮影しました。




 

 

 

特集解説ページ(抜粋)


フォトグラファー 長野柊太郎(※解説、中面作品ともに担当)
黒バックの基礎・実践編の撮影を担当させていただきました。今まで感覚的に扱ってきた黒バックを今回解説するにあたって、改めて「黒バックとはなんだろう?」「黒バックの魅力とは?」を考えることになり、非常に勉強になりました。誌面に載せるのに黒バックでただカッコいい作品を撮ればいいというわけでなく、「なぜ黒バックを選択するのか」という理由を分解し、それぞれの事例が分かりやすい内容になることを心がけました。「魅惑の黒バック」是非ご覧ください。


レタッチャー 小柴託夢 他作品はこちら
回の黒バック基礎・実践編のレタッチを担当して、私も学びながら、楽しくやらせてもらうことができました。レタッチを始める前に長野さんとは綿密に打ち合わせを行っていたので、それぞれ何を魅せたいのか、何に重点をおいて撮影しているのかを知り、より写真を魅力的に見せることに集中しました。レタッチを通して気をつけたことは、それぞれ趣旨から外れないように、長野さんが各作品を通して伝えたいことなど、全体像をイメージしながら進めました。黒バックでの被写体の持つ力強さ、周囲に溶け込ませていく手法、同じライティングでも白バックになった途端、作品の意味合いが変わってくることを再認識できました。





 

 

 

 

まとめ 亀井友吉 作品はこちら
誰もが目にしたことがある黒バック。
今回はゼロからその意味、意義を考え直す機会となりました。黒バックは「一般的ポートレイト」と言ったような普遍性のあるものではなく「黒」であることが既に一つの表現になってしまうことを実感。「黒」の意味を紐解き、皆で話し合いながら今回の企画を作り上げる、非常に興味深い時間となりました。
表紙を担当した、フォトグラファー岩切さんは「黒バックと人肌」にこだわり、美しく強いイメージを作り出しています。
中面企画担当フォトグラファー長野さんは、レタッチャーの中里さんとつくり続けている「LACE」シリーズの不思議な世界をさらに更新。
基礎・実践編では、フォトグラファー長野さんが再登場、全ての写真が「作例」ではなく「作品」と言えるクオリティーで撮影しています。
是非手に取ってご覧ください。

 



             




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