「ウラワザ」メンバー:
左上から小林 大将、伊藤 俊輔、橋本 陽介、西田 騎夕
大城 佑樹、川原井 和、浦井 彈、平居 あづさ
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技術の進化を身近に感じる機会が増える一方で、コンテンツの消費スピードは加速し、生活者からますます「次の新たな体験」が求められています。博報堂プロダクツの統合クリエイティブ事業本部 ウラワザでは、デジタルエクスペリエンス領域に特化した体験型プロモーションを提案する専門組織として「これまでにない体験」を生み出し続けています。本記事では、ウラワザが開発中の最新ソリューションと独自の強み、そのプロフェッショナル性を紹介します。
博報堂プロダクツ 統合クリエイティブ事業本部 「ウラワザ」とは
クリエイティブディレクター、テクニカルディレクター、アートディレクター、UXディレクター、3DCGディレクターとデザインエンジニア、ソフトウェアエンジニア、ハードウェアエンジニアが所属し、デジタルエクスペリエンス領域に特化したインタラクティブな体験型プロモーションを手がける専門組織。イルミネーションをはじめ、プロジェクションマッピング、インタラクティブなデジタルサイネージなど多くのイベントにおいて多数の実績があり「これまでにない体験」を生み出す企画力と実装力が強みです。
今回は「エンターテインメント」をテーマにしたウラワザの最新事例をご紹介します。
ウラワザの最新ソリューションを紹介!
人のシルエットを検出し、花火で表現
指定のエリアに足を踏み入れると、目の前に自分のシルエットの花火が出現!体験者のシルエットを一定のタイミングで検出し、夜空に浮かぶ花火のように打ち上げるソリューションです。来場者は思い思いのポーズで自分だけの花火の出現を楽しめます。
シルエットを検出し投影する技術に花火のエフェクトと音響を重ね、自分のシルエットが突如打ち上がる高揚感をプラスした体験型プロジェクションになります。スクリーンや建物の壁面など、屋内外問わず導入することができ、会場規模にあわせ投影サイズも変更できます。思わず足を止めてポーズを取りたくなるリアルならではの体験を提供することが可能です。
「人には聞こえない音」を使って、ビーズを舞い上げる
人が聞こえる音域を越えた「不可聴音」を内蔵スピーカーから流し、その振動により発泡ビーズを舞い上げる演出型ソリューションです。下から投影したオーロラ調の光が、透明なアクリル板とビーズに映ることで、より幻想的な空間を生み出しています。
光とともに上下に舞い上がるビーズの動きは、人を惹きつける不思議な魅力を感じさせます。マイクを接続し人の声に呼応させビーズを舞い上げることも可能です。
音による振動は、風を起こすよりも繊細で表現力豊かにビーズを舞い上げてくれます。さらに人の耳に聞こえない「不可聴音」を用いることで、音や風を感じないのに目の前でビーズが動き出す不思議な体験を提供することも可能です。
雪原のように大量のビーズを使用することで、さらに幻想的でダイナミックな演出を行うこともできるので、クリスマスシーズンをはじめとした空間演出にも応用できるソリューションです。
映し出されたコート上で光の球を打ち返す、新たなゲーム体験
みんなで楽しめるゲームに新たな体験価値を実装したソリューションです。暗室のなかに浮かび上がるのはプロジェクターで投影されたエアホッケーのコート。コントローラーを使って相手のゴールにボールを打ち合うeスポーツの要素を組み合わせ、新たなワクワク感を提供します。
誰もが理解しやすく楽しめるゲームにデジタル技術を掛け合わせることで、新たな体験設計を実装したソリューションになります。天井や大型モニターなど投影場所は無限大。ボールやコートも自由にカスタマイズでき、オリジナルデザインでの実装も可能です。直感的な操作性で、老若男女どなたでも楽しめることを大切にしています。
台の上に置くと輝く不思議なランタン
ランタンを台の上に置くと、フルカラーLEDによるカラフルな演出が流れるソリューションです。
設定した台の色に応じてランタン内部が発光する仕組みで、台に置いた順番に色が層になるよう映し出され、最後はすべての色が混ざり合い幻想的な光を放ちます。
ランタン内部にマイクロチップとフルカラーLEDライトを搭載し、台の上に乗せることで色が映り出すプログラムを組んでいます。この技術を応用して、スタンプラリーのように色を集めるアトラクションなどの新たな体験を提供することも可能です。
色や発光方法を指定することもできますので、スポーツチームやアイドルグループのようなテーマカラーを持つ団体のイベントなど、ファンの心を高めるプロモーションにも応用可能です。今回はランタン型で開発しましたが、スマートフォンの画面上でも実装できます。
ポージングをAIが判定。仕上がりに応じてオリジナルの掛け声も
お手本のポーズをどこまで再現できるか、フィジカルな体験とデジタルの技術を掛け合わせた体験型ソリューションです。画面上に表示されたポーズに合わせ体を動かすと、カメラを通じてAIが姿勢を判定し、ポーズの再現度に応じて点数と掛け声が表示されます。AIならではのシビアな採点により、99点の最高得点に到達するには本気のポージングが求められるソリューションです。
AIの姿勢推定技術を応用し、ゲーム形式で楽しく身体を動かす体験を設計しました。ポーズや掛け声は自由に設定できますので、キャラクターやアイドルの決めポーズなど、ファンの方への体験型イベントにも活用できます。
ポーズの仕上がり度に応じて起こる掛け声も最新技術を組み合わせ、思わずやりたくなり、ワクワクする気持ちを生み出すフレーズにすることで、印象に残る体験価値として提供できるソリューションにもなります。
“新しいワクワクを作り続けていく”
ウラワザの根幹に宿る「企画・実装力」とは
最後に、ウラワザの強みと今後の展望について
統合クリエイティブ事業本部の伊藤 俊輔と川原井 和に話を聞きました。
──ウラワザで働く魅力は何ですか?
川原井
ウラワザには新しいもの好きな人が集まっており、日々新たな技術や手法をキャッチアップしています。
私をはじめエンジニアがチームに在籍し、それぞれが新たなソリューションを開発し続け、情報交換も活発に行われています。同じ仕事をし続けることはなく、手掛ける案件が変わる度に新しい技術に触れることができる環境が魅力です。
伊藤
やはり「自分たちでつくる」という面白さです。
「こんなものがあったら面白いと思った。だから作ってみました。」と、提案をアイデアだけで終わらせない実装力を皆が持っています。クライアントへの提案も、実物を持っていくことでイメージが湧きやすくなり齟齬なく進めることができます。作りたての頃からお見せできるよう、常に試作の開発を続けるメンバーと環境が揃っています。
──次世代のプロモーションを生み出し続けるウラワザですが、その強みはどこにあるのでしょうか。
伊藤
体験の企画力と、ソリューションを開発する実装力が強みです。
ウラワザには「自分たちでつくる文化」が根付いており、設立当初から「世の中がワクワクするものを、ワクワクしながらつくる」ことを方針に掲げています。最新技術に関するアンテナを常に張り、チーム内では企画・実装を行うプロフェッショナルが集まっています。プロトタイプを持ち寄り、ときに掛け合わせ開発し続けている、新たな体験を生み出す種をメンバー全員が常に持っていることも特徴です。
特にリアルでの体験にこだわりを持っており、実施の直前まで開発を行うこともあります。現場で体験する生の感覚を大切にしていて、その場所で感じる気持ちのよさを追求し技術・実装面に落とし込んでいます。
──今後の展望をお聞かせください。
川原井
これまでハードウェアメインのものづくりを専門としてきましたが、今はソフトウェアメインのコンテンツ開発も必要とされています。リアルな体験においてハードウェアは貴重なパーツですが、今後ソフトウェアの専門性も更に高めることで、どちらの領域にも強い二刀流のエンジニアとして活躍の幅を広げていきたいです。
伊藤
この3年はリアルイベントの開催自粛が続き、制限が設けられました。リアルでの体験設計を強みとするウラワザにとって厳しい環境下でしたが、一方でARをはじめとする非接触型の体験設計のノウハウを蓄積することができ、それがチームの財産となっています。
いま世の中では、改めて同じ場所に集まり体験する時間を大切にする機運が高まっています。今後は本来の強みである「リアルでのインタラクティブな体験設計」に加え「非接触型の体験設計」を掛け合わせ、より新しく、多様な体験価値を創造していきたいと思います。
イベント会場での体験設計はもちろん、常設店舗での空間演出や体験提案もお任せください。
■プロフィール
博報堂プロダクツ 統合クリエイティブ事業本部 ウラワザ
伊藤 俊輔
クリエイティブディレクター 手法にとらわれない企画で、常に新しいユーザー体験を創出。
元々コピーライターという経歴を生かし、コンセプトからインタラクティブ体験の演出まで一気通貫で手がける。
川原井 和
ハードウェアエンジニア 学生時代はロボット開発学科でハードウェアの研究、開発をし、現在はウラワザでインタラクティブコンテンツのセンシングやLED制御などを担当。
小林 大将
前職ではデジタルアートを制作する会社にてエンジニアとしてデジタルアートのシステム開発を行う。
現在は、エンジニアとしてだけでなく、テクニカルディレクターとしてシステム開発に従事している。
浦井 彈
デザインエンジニア 企画から制作まで行い、プロトタイピングとデバイス大量制御系が好き。
受賞歴:映像作家100人2020、六本木アートナイト2022など
平居 あづさ
ハードウェアエンジニア ランタンや工場見学のお土産など可愛い綺麗な小物制作と、デザイン性の高いプロトタイプ制作が得意。
橋本 陽介
ハードウェアエンジニア 学生時代ロボット開発学科でハードウェアの研究、開発を学び、ウラワザではインタラクティブコンテンツのハードウェア、ソフトウェアなどを担当。
大城 佑樹
学生時代には音と体験を主軸にしたメディアアート/デジタルコンテンツを制作。
現在はデジタルサイネージコンテンツ実装や音響制御などを担当。
西田 騎夕
エンジニア 学生時代はメディアアート作品を制作、研究。
現在は、ソフトウェアを中心に、インタラクティブコンテンツなどのプログラム制御を担当。