TOPICSプロダクツトピックス NEWSニュースリリース

博報堂プロダクツの各コア事業が追求している専門技術を駆使した新しい取り組み、
時代の進化と掛け合わせながらも手触りを宿らせるプロの仕事をご紹介します。

スタジオ内も公開!映像の"仕上げ"を突き詰め、クリエイティブの完成度を高める。【Close Up!P Value Vol.25 ポストプロダクション編】

Vol.25のテーマは、映像制作のポストプロダクションを担うREDHILL事業本部から、アカウントプランナーの本間 菜月、オンラインエディターの武谷 朱莉、ミキサーの鷹濱 蘭が登場。TVCMからWeb広告まで、映像の"最終仕上げ"を手掛けるプロフェッショナルを紹介します。

 

▼カラリストの高部 海生を加えた4名によるスタジオ紹介とインタビュー動画も公開中!こちらからご覧ください! (クリックするとYouTube動画に遷移します)

 

全工程がワンフロアで完結。クライアントの意図をスピーディに"翻訳し実現"

――撮影素材をTVCMやWeb動画、サイネージといった広告映像へと昇華させる「ポストプロダクション」。作品のクオリティを決定づける、この仕上げ作業を担うのがREDHILL(レッドヒル)事業本部だ。メインの拠点である赤坂bizタワーの編集室は、編集、カラーグレーディング、MA(Multi Audio)、3DCG制作といった映像制作に必要な機能がすべてワンフロアに完備されている。制作進行を統括する本間は、そのメリットを次のように語る。

 

本間:ポストプロダクションでは、監督、プロデューサー、クライアントが集まって最終的なチェックに立ち会います。確認と修正を並行して行うので「編集室で映像を確認し、ナレーション収録に立ち会い、また編集室に戻る」といった移動が頻繁に起きるのですが、REDHILLのスタジオではその流れが一つのフロアで完結する。確認と修正のサイクルをスピーディーに回せるのが強みです。

 

REDHILLスタジオ入口の写真

 

関連記事:カラーグレーディング、編集、MA、3DCG制作など、映像制作に必要な全てを備えたポストプロダクション。最新鋭の機材、最先端のスキルでハイクオリティな映像を提供します。 

 

――仕上げは主に4つの工程に分かれる。撮影素材をつなぎ合わせ、構成を組み立てる「オフライン編集」。色彩の補正など映像の"色"を作り込む「カラーグレーディング」。録音作業や、BGM・効果音の調整など"音"にまつわる調整を行う「MA(Multi Audio)」。そして、合成や演者の肌の質感調整、細かなノイズの除去など、高度な技術で映像のクオリティを上げる「オンライン編集」。最終チェックに至るまでに、事前に共有された仕上げ指示はすべて反映されるが、「それでも最終チェック段階での調整は欠かせない」と語るのは、オンラインエディター(編集技術職)の武谷だ。

 

武谷:編集は部屋で黙々と一人で、というイメージがあるかもしれません。もちろん、そういう時間もあるのですが、実際は監督やクライアントとのコミュニケーションも主な仕事の一つ。さまざまな意見が飛び交う中で、要望に応じた修正をリアルタイムで反映するので、作業スピードはもちろん、対人スキルが求められる仕事です。

 

――現場では編集技術はもちろん、クライアントの意図を実際の画や音に"翻訳"する力が求められる。

 

武谷:たとえば「タイトルに動きをつけて目立たせたい」という要望があった場合に、本当は「とにかく目立たせたい」のであって、「動き」そのものは重要ではないこともあります。CMは映像に文字要素が加わることで画面の情報量が多くなりがちです。そのため、全体のバランスを踏まえ、単に「動きをつける」のではない、別の方法を提案することもあります。言葉では表現しづらいイメージも、意図を汲み取って実現するのが私たちの役割です。

 

編集室の写真と武谷がモニターの前でオンライン編集をしている様子

 

――商品をより強調したい、タレントを目立たせたい、作品全体の雰囲気づくりを重視したい——。最終工程では異なる立場から指示がぶつかり合うこともある。要望をすり合わせ、一つの着地点に導くのもポストプロダクションの技術だ。サウンドミキサー(音声技術職)の鷹濱は、「正解がない」からこそ、プロとしてのバランス感覚が大切だという。

 

鷹濱:映像はおおよその正解が形として見えますが、音は目に見える正解がありません。どのように聞こえるか、突き詰めると感覚的な部分で皆さんが納得できるクオリティに落とし込む必要があります。声を立たせたいのか、BGMやSEで雰囲気を作りたいのか。サウンドミキサーは、それぞれが納得できる"聞こえ方"となるようなバランス感覚を持つことが大切です。


生活者に届く場面を見据え、きめ細かな調整を重ねる

――REDHILLが手がける領域は広告映像を中心に、バーチャル空間での映像制作や体験型コンテンツなど多彩な広がりを見せる。

 

本間:TVCMに加え、近年はWeb動画の案件も増えています。また、学校で使われる動画教材や企業のインナー向け動画など、広告以外のジャンルを手がけることもあります。

 

――動画を視聴する媒体やデバイスが異なれば、映像・音の仕上げ方も変わる。

 

武谷:たとえばYouTubeの縦型動画であれば、コメント欄などのUIにかぶらないよう字幕の表示方法を変える必要があったり、スマホでの視聴を想定してテレビとは異なる色味や明るさにしたりといった調整が必要です。デバイスやアプリの数だけ細かい調整をする場合もあります。

 

鷹濱:音声の場合は編集室で聞こえる音だけでなく、実際の生活環境での聞こえ方も想定した音づくりを意識しています。TVCMでは、家事をしながらでも聞こえるような、音の輪郭がはっきりした「硬い音」づくりが主流ですが、硬くしすぎると「耳に痛い」などネガティブな印象を持たれるリスクもある。「聞き取りやすく耳が痛くならない」音の調整は、MAの腕の見せどころですね。

 

MAルームの写真と鷹濱が音編集をしている様子

 

――ともすればスキップされる可能性があるWeb広告では、視聴者を惹きつける工夫を施す。

 

鷹濱:視聴をスキップされるまでの猶予はほんの数秒。この一瞬に、「動画を見続けたい」と思わせる音づくりをできないか、常に模索しています。映像や言葉だけではなく、音もまた、商品名やメッセージを視聴者に伝える大切な要素です。

 

――複数のメディアに展開する場合は、その分の作り分けを行う。また、映像の長さや構成が異なる"タイプ"の作り分けも必要になる。さらに別案のクリエイティブも加わり、必要なタイプとともに作業は倍々で増えていく。

 

武谷:オフライン編集では完成形を作る過程で数十のタイプを作成することもあり、オンライン編集ではNGが出た際に備えた別テイク素材を作成することもあります。ただし、大半が実際には使われないということもあります。私たちの仕事は世に出ないものをたくさんつくる仕事ともいえるかもしれません。大変ですが、その分の手間や苦労がクオリティに直結するのも事実。実際に出来上がった映像を見ると、苦労が報われた気持ちになりますね。

 

チームワークで、クリエイティブの進化に応える

――膨大な作業量を含みながら、一つの案件にかかる制作期間は約2日から1週間程度。スピードとクオリティの両立を支えるのはスムーズなチームワークだ。

 

本間:制作進行ではメンバーの自主性と気遣いにとても助けられています。進行状況が前後の工程間ですぐに共有されるので、メンバーを増やしたり、スケジュールを調整したりといった対応も素早く行える。スムーズな連携ができるのも、日頃のコミュニケーションが良い雰囲気づくりに役立っているからと感じます。

 

REDHILLのスタジオ入口で武谷、本間、鷹濱が並んでいる集合写真

左からREDHILL事業本部 オンラインエディター 武谷 朱莉、アカウントプランナー 本間 菜月、ミキサー 鷹濱 蘭

 

――風通しのいいチームづくりは、若手の育成においても反映されている。

 

武谷:最近は学校や独学で編集ソフトに触れる人が多いので、新人の成長スピードは速くなっていますね。ただ、技術そのものは入社後に一から学ぶので、どちらかというとコミュニケーション能力が大切です。

 

鷹濱:未経験でも、わからないことをすぐに周囲に聞く若手ほど早く活躍できると感じます。そのため、若手には聞きたいことがあれば先輩全員に聞いてみてと伝えています。チームとして、「誰に聞いてもいいと思える」「同じ質問を繰り返し聞いてもいい」と思ってもらえる環境づくりを意識しています。

 

――本間は、スタッフこそがREDHILL事業本部の財産だと語る。

 

本間:デモリール(映像作品集)を見てもらえれば、スタッフひとりひとりのセンスの多彩さを感じてもらえると思います。重厚な雰囲気からレトロポップ調まで、あるいはモーショングラフィックスにこだわり抜いた作品があったり…。イメージされている作品の系統に合わせて「この人が向いている」と幅広く提案できるのが、私たちの強みです。

 

――ときには本人も思いがけない強みが作品づくりに生かされることもある。

 

武谷:学生の頃に学んでいたキャラクターアニメーションの技術が好評を得た案件があり、それ以降の案件でも声をかけてもらえるようになったということがありました。今は主にオンライン編集を担当していますが、アニメーションという別分野の技術がプラスアルファの強みになるのが、この仕事の面白いところだと思います。

 

――武谷、鷹濱がともに目指すのは、得意分野を軸にしながらも幅広いジャンルで頼られるプロフェッショナルだ。

 

武谷:元々は映画やドラマ調の映像作品が好きなので、そのような雰囲気重視のジャンルを増やしていきたいです。将来的には「こういう雰囲気の作品は武谷が得意だよね」と"指名"がもらえるようなエディターになりたいです。

 

鷹濱:私も仕事が指名で埋まるようなミキサーになるのが理想です。強みである「可愛い音」以外のジャンルも経験値を積んで、「何でも任せて」と言えるようになりたいですね。

 

――日々、新しい映像体験が生まれるなか、本間はポストプロダクションに求められる役割の今後を見据える。

 

本間:近年はAIが台頭するなど、映像クリエイティブは目覚ましいスピードで進化しています。それにともないクライアントやディレクターが実現したい表現の幅も広がっていくでしょう。私たちは、その変化にキャッチアップしつつ、REDHILLならではと思われるような技術と個性で応えていきたいです。

スタジオでREDHILL事業本部の武谷、本間、鷹濱が並んでいる集合写真

 

博報堂プロダクツ 公式YouTubeチャンネルでは、カラリストの高部 海生を加えた4名によるスタジオ紹介とインタビュー動画も公開しています。こちらもあわせてご覧ください!

 

【Vol.25】YouTube動画はこちら

youtube

 

【Close Up! P Value】再生リストはこちら