総合制作事業会社である博報堂プロダクツは、18の事業本部にわたる幅広い領域でソリューションを提供しています。価値創造の中核を担うのは、90以上の専門職を構成する2,000名以上の人材です。
博報堂プロダクツ 公式YouTubeチャンネルでは各職種の提供価値をお伝えすべく、「Close Up!P Value」を公開中。デジタル、リアル、映像、コマース、先端テクノロジーまで、多彩なプロフェッショナルたちの姿を紹介していきます。そしてコーポレートサイトTOPICSでは、YouTubeで語られた内容をさらに深堀りするインタビュー記事を公開していきます。
Vol.5では、コマースマーケティングプロデューサーの小西 葉、鈴木 雄祐が登場。売り場と通販、二つのフロントラインの現場から、“売り”の専門家たちに迫ります。
二人のインタビュー動画は こちら からご覧ください!
リアルの売り場を起点に
生活者の新たな出会いをプロデュース
――オンライン・オフラインを問わず、さまざまなチャネルの効果的な運用が重視される、現代のマーケティング活動。ECや店頭、テレビ通販、BtoBなど広範な領域で、販売からCRMに至る事業支援を行うのが、コマースマーケティングプロデューサーだ。博報堂プロダクツには各チャネルに特化した人材も在籍し、クライアントのROI向上に従事している。
その一人である小西は、リアルの売り場が専門だ。販促ツール、キャンペーン、動画制作から、販売員の雇用・教育まで、売り場に関わる全般でソリューションを提供している。
小西:セールスや販促などヒューマンリソース領域でキャリアを積んだ私は、「人がモノを買う瞬間、何を思うのか?」について、四六時中考えています。リアル売り場の担当になった現在、100円の青果から50万円のロボットまで幅広い商材を担当していますが、基本的なマインドは同じです。
――購入というアクションを喚起し、売上を最大化する。めざすゴールはシンプルだが、そのアプローチは複雑だ。モノが溢れるマーケットにおいて、商材の魅力を生活者に伝える手段には、確実な正解が存在しない。
小西:マスレベルでのメガヒットが生まれにくい状況の中でも、新商品は次々と登場します。マーケットを囲うべく、CMなどの大型プロモーションは行われますが、「自社商品は本当に、最後まで生活者に行き渡っているのだろうか」と、疑問を抱えるクライアントも多いはず。そうした中で着実に効果を積み上げられるのが、最終購買地点である店頭などでの施策です。食品なら“食べる”、化粧品なら“使ってもらう”と、商材を五感で体験できるリアル空間は、情報が飽和する現代でも強みを発揮します。
――商品の魅力を伝えた上で、消費行動に結びつけるためには、緻密なカスタマージャーニーが必要だ。小西は購入に至る動線を、コピーやデザイン、販売員のトークスクリプト、メッセージの発信方法まで、生活者に寄り添ったシナリオで設計していく。
小西:店頭で効果が現れやすい施策はサンプル配布ですが、渡して終わりでは意味がありません。LP作成やキャンペーン、購入後のアフターケアまで、次のステップをつくり出すのも、私たちの役割です。重要なのはターゲットが抱く、真のニーズを探ること。例えばコスメでは「20〜30代ターゲットの商品でも、その中で本当に欲しいのは誰なのか」「用途は美白なのか、浸透なのか、アンチエイジングなのか」と、細かくニーズを掘り起こします。生活者に寄り添い、少人数でもコアなファンを積み上げていくことが、最も有効なアプローチではないでしょうか。
――生活者とのコミュニケーションにとどまらず、小西は費用対効果にもコミットする。商材を世の中に定着させるには、長期的に投資を回収する視点が欠かせないからだ。
小西:店頭などでのリアル施策というのは、1千万円の予算を投下したら、2千万の売り上げが見込めるわけではありません。例えば、サンプル配布の製造費や人権費を考慮すると、1日の売上は赤字になるケースもあります。しかしお客さまに魅力を感じてもらい、店舗に商品を入れることができれば、そこはクライアントの売り場になる。これを1か月キープすることで、投資を回収できるわけです。単発的な効果も重要ですが、これまで重ねてきた施策を活かし、次のステップを最適化することで、新たな商品は一歩ずつ世の中に広がります。
――売り場を徹底的に分析する小西だが、プライベートの顔はユニークだ。
小西:実は私、店舗ではほとんど買い物しないんです。ECが主なのですが、一方でAIに次々とレコメンドされるのも苦手。黒い服を購入したら、ずっと黒い服がおすすめされる世界には、違和感を覚えます。そんな私だからこそ、皆が楽しく買い物ができる世の中にしたい。生活者が魅力的な商品に出会えるために、クライアントと一緒にプロジェクトを考えるのが、大好きなんです。
競争の激しいテレビ通販の世界で
数値的成功を提供する
――コマースマーケティングプロデューサーの鈴木は、博報堂プロダクツにおける多様なコマースビジネスの中でも、テレビ通販を得意とする。枠が限られる放送の世界で繰り広げられるは、熾烈な競争だ。
鈴木:テレビ通販への進出を図る新興企業は増えており、長年通販を展開していた老舗企業と、放送枠を二分している状況です。マスメディアへの投資で裾野を広げ、デジタルを含むマルチチャネルで回収する戦略は、一定の効果を見込めます。こうした背景とともに、枠獲得の競争も激化しているのです。
――放送局とのコミュニケーション、枠のバイイングでは、博報堂DYメディアパートナーズとの連携体制が活かされる。鈴木は他にも、番組のプランニング、タレントのキャスティング、キャンペーン事務局の運用やノベルティの制作、デジタルとの連携など、多岐にわたるディレクションに奔走する。
鈴木:CM扱いの120秒尺、通販番組の29分枠、効果が安定する地上波、費用対効果の高いBS波など、さまざまな手段から最適なものを選び、クライアントのプロジェクトを支援します。コマースプロデュース事業本部には店頭やECのプロデューサー、各種のクリエイターも在籍するため、全方位的なコマース展開も可能です。テレビ通販を希望するクライアントであっても、店頭やデジタルの方が有効だと判断すれば、躊躇なく最適なプランを提案します。
――クライアントと接する中で、鈴木が常に心掛けているのは、コミュニケーションの「質と量」だ。広告が常時取引されるテレビの世界では、スピード感が欠かせない武器となる。
鈴木:テレビ通販は、一言で表すならば「生物(なまもの)」。放送枠は流れてしまえば二度と取り返せない資産なので、テレビ局は早急に埋めようとします。一刻を争う時間軸で枠の売買が行われてしまうので、私が取引の時間を空けてしまうと、クライアントの機会損失につながるのです。少し泥臭いですが、迅速な情報共有、決裁のための時間提供こそ、私たちが強みとする動きです。
――そして鈴木は、テレビ通販の先にある、商材の売上にもシビアに向き合う。視聴後の行動を追跡しながら、確実に購入に結びつけるまでが、提供すべき価値なのだ。
鈴木:最終的なゴールは、クライアントの売上に貢献すること。テレビ通販の施策では、コールセンターとの連携などにより、受注率の遷移を計測できます。その動向を詳しく分析すれば、返礼チラシの改善やコース変更の提案など、より緻密なコミュニケーション設計ができる。放送後の行動喚起も併せ、LTVを最大化することが、総合制作事業会社である博報堂プロダクツの責務です。
――結果に対し真摯にコミットする鈴木は、「根っからの数字好き」だと自身を語る。
鈴木:クライアントの言葉で一番嬉しいのは、「今年の売上目標を達成できた」です。数字から逃げず、「なんとかする」と全力で頑張るからこそ、やりがいを感じるんです。そのために必要なのは、クラインアントと忌憚なく意見を交わす関係性。結果を痛み分けする“共犯関係”を築くことで、未知なる挑戦ができると考えています。
博報堂プロダクツ 公式YouTubeチャンネルでは、今回登場した二人のインタビュー紹介動画も公開しています。こちらもあわせてご覧ください!
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