ビジネスの成果を上げる、リアルよりも深く確かなコミュニケーション。 VRコンベンションセンター「VRADE」〜イベント・スペースプロモーション事業本部〜

うちの一押しソリューション Vol.1

~イベント・スペースプロモーション事業本部「VRADE」~

 

様々なソリューションが世の中に溢れている昨今、社会の課題に対する博報堂プロダクツ各事業本部の一押しのソリューションを紹介します。

 

 

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新型コロナウイルス感染拡大により、様々なビジネスイベントのオンライン化が急速に進み、その中で新たな課題も見えてきました。開催中のイベントの様子などを単にオンラインで視聴してもらうだけに留まらず、主催者と参加者、双方のコミュニケーションを深めたいというニーズが高まりつつあります。

「VRADE(ブレイド)」は、VR空間上で、主催者・参加者がアバターを介して、これまでのオンラインイベントでは体験できなかったコミュ二ケーションを可能にするソリューションです。また、AI、IoTと並びDX分野で期待されるブロックチェーンを活用しています。ブロックチェーンの国内市場規模は、2025年には1000億円を超え、関連市場を合わせると67兆円の潜在規模があるとされています。

今回は「VRADE」の開発運営をされている、株式会社プレミアムアーツの山路 和紀さん、株式会社アーリーワークスの小林 聖さん、博報堂DYメディアパートナーズの髙橋  信行さん、当社イベント・スペースプロモーション事業本部の中島 康博さん、同じくイベント・スペースプロモーション事業本部イベントDXチームの川島 尚也さんに、VRADEの開発の狙いや特徴を伺いました。

 

 

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メインプラザ

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左:セミナー会場、 右:会議室(大)

 

 

「VRADE」とは

 

中島:VRADEは、展示会、講演会、セミナー、会議などのイベントを、誰でも、簡単に、オンラインで開催できる、“VRコンベンションセンター(複合型VRイベント会場)”です。

まずは、運営主体についてご説明させていただくのが分かりやすいと思います。VRADEはVR技術をお持ちのプレミアムアーツさん、ブロックチェーン技術をお持ちのアーリーワークスさん、メディアエージェンシーの博報堂DYメディアパートナーズの3社で開発が始められました。そこに、このソリューションはイベント領域になることから、広告/イベント制作の博報堂プロダクツが加わり、最終的に4社で業務提携を結び、開発から運営まで行うプロジェクトになりました。ちなみに、この“VRADE”という名称は、4社の強み「VR、AD、Decentralized(分散処理)、Event/Exhibition」を融合したものです。

運営は、「VRADE事務局」が主催者さまと契約してサービス提供するモデルになっていて、我々プロダクツはそのセールス窓口をさせていただくとともに、このVRADE事務局に参画し、VRADEをどのように活用していくかの企画や制作プロデュース的な部分を担当させていただく座組になっています。

 

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ビジネスミーティングでの使いやすさと、リアルイベントの魅力を兼ね備えたインフラを目指して

 

川島:これからのビジネス系オンラインイベントはコミュニケーションの質を上げていくことが求められます。今まさに我々が持っている得意先やその先のお客様は、オンラインイベントに参加するときには、自社から支給されているパソコンで、あるいは会社からアクセスされる方が多いと思います。
そういう意味では、ビジネス用に支給されているパソコンでも参加できるような推奨環境を基準にすること。主催者と来場者が最後までビジネスミーティングがしやすい環境を実現すること。イベントの魅力である臨場感、ラインナップ感、セレンディピティといった価値を失わないようにすること。このようなことに注力しながらコミュニケーションの質を高めるための開発に取り組んでいます。

 

 

 

「VRADE」のサービスコンセプト

 

中島:通常のイベントのプラットフォームである競合との比較になるのですが、会場はイベントに合わせてその都度カスタマイズするものです。また、来場者はプラットフォームを訪れようと思っても、簡単に訪れることは出来ません。しかし、このVRADEは、予め複合型のイベント会場をいっぱい用意していますので、主催者は借りたい会場を選び、コンテンツを設定するだけで簡単にイベントを実施することができます。会場の種類としては、展示会場、講演会場、セミナー会場、会議室、ギャラリーなどがあり、エントランスにも座ってみんなで会話できる椅子が置いてあります。
また、来場者は、いつでもVRADEを訪問し、そのとき公開されているイベントがあれば、自由に参加できます。誰でも簡単にVR空間上の貸会場で、自由にオンラインイベントを実施することができるのです。

 

 

 

 

「VRADE」の3つの特徴

1.ウェブブラウザのみで参加できる本格的なVRコンベンションセンター。

2.アバター✖️ボイスチャットによる臨場感あるコミュニケーション環境。

3.ブロックチェーン技術の活用によるセキュアで拡張性の高い来場管理システム。

 

 

 

1.ウェブブラウザのみで参加できる本格的なVRコンベンションセンター

 

中島:1つめが、ウェブブラウザのみで参加できる本格的なVRイベント会場ということです。対競合という観点で言うと、通常のイベントプラットフォームは、ウェブブラウザじゃなくてアプリで参加するものが一般的で、(場合によってウェブブラウザでも参加できるものがありますが)アプリ版とWeb版があって、かつWeb版の方が簡易なものになってしまっていることが多くあります。しかしながら、VRADEは最初からアプリを作らずに、ウェブブラウザでイベントに参加できることを念頭に置いています。

 

川島:VRの開発にウェブブラウザを使うことに関していかがでしたか。

 

山路:VR開発に長年取り組んでいますが、常々イベントに限らずVRを体験するためのハードルが高いと思っていました。2015~16年ぐらいにVRブームがあって、世間の多くの人がVRデバイスを買って、世の中に普及しそうな雰囲気も一瞬あったのですが、3Dの立体テレビと一緒で、盛り上がるけれども一時的なものになっていると感じています。専用のデバイスが必要だったり、あるいはスマホでやるにしてもアプリをダウンロードして、それからさらにゴーグルみたいなものを付けたり、いろいろ準備が必要で非常にハードルが高いという印象でした。ビジネスで参加されるユーザーの方は会社から支給されているパソコンを使うため、そもそもアプリをダウンロードできないですし。

そういった状況で、いわゆるビジネスミーティングで使えるインフラとして使用していただくために、ブラウザで出来る限界までやろうということになりました。その結果、ウェブブラウザシステムでVRを動かすと既存のWebシステムとシームレスに連携して、VRADE空間の中では、空間のリンクボタンを押すだけで外部のウェブサイトにも、ダイレクトに遷移していくことが出来ます。

 

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エントランスには各会場に遷移できるリンクボタンが設置されている

 

中島:さらに空間カスタマイズも簡単にできるようになっています。イベントで使用する3Dデータを取り込んでオブジェクトを作ることができますし、活用の幅は非常に大きいと思います。例えば、展示会のブースのようにリアルで展示を実施し、そのCADデータを活用してVRADE上にも設置すれば、オンラインで開催地以外の場所でも同じようなブースを体験してもらうことができます。

 

山路:製品を立体的に出したいというニーズもこの先あると思っていまして、その部分のノウハウもありますのでスムーズにVR空間に配置させることができます。

 

 

 

2.アバター ✖︎ ボイスチャットによる臨場感あるコミュニケーション環境

 

中島:2つめは、アバター✖️ボイスチャットによる臨場感のあるコミュニケーションが可能な環境であるということです。アバターとボイスチャットは、VR空間でのコミュニケーションを深める有効な手段です。通常、来場者は自身のアバターを作成して会場に入り、滞在もできますが、主催者はアバターでいられなくなってしまうことが多いと思います。せっかく来場者がアバターで参加しているのに、主催者とアバター同士でコミュニケーションができる機会が少ないのは非常に勿体ないですよね。そこをVRADEでは、アバター同士がコミュニケーションできるように全体を設計しています。

 

山路:美しいものを見せるモノに特化するより、ビジネスミーティングというのは意思疎通ができなければ意味がないので、ゲーム世界のようにアバターを着飾らせるような技術には必要以上には手をかけていません。また、プライオリティとして、コミュニケーション時の使い勝手の良さに注視して、ボイスチャットをブラウザで動かすことにしました。2020年からZoomやTeamsが普及したので、そこに絞って取り組みをしていました。

 

中島:リモート会議の場合だと話すタイミングって結構気を遣うじゃないですか。誰かが喋っている間は黙るとか。でも、VRADEではそういうことがなく気軽に喋れます。プレミアムアーツさんの技術の素晴らしさで、アバター同士の距離に応じて音量が変わるようになっています。つまり、遠くで喋る声は小さく聞こえて、目の前の人の声は大きく聞こえて、本当にリアルな空間と同じようにコミュニケーションが可能です。

通常はコミュニケーションの中で別のコミュニケーションをしようと思ったらブレイクアウトセッションでもしなければできない。でもVRADE空間の中だと一つの大きいコミュニケーションの端で、そこだけのヒソヒソ話もできます。これが非常に面白いところです。

 

小林:本当に飲み会ができると思いますね。一時”宅飲み”って流行ったじゃないですか。でも例えば8人いると全員の声が聞こえるので喋れないですよね。でもVR上で席の間隔を開ければ、飲み会で近い席の人と話せる。アバターとボイスチャットで、VR空間をリアルタイムに共有することで、新しい楽しみ方が実現しました。

 

中島:VR空間の色々な場所にコミュニケーションが出来るスペースを用意していますので、個別に会話ができます。セミナー会場を借りて、ステージの壇上に自分のアバターを立たせて、パソコンの画面を共有すればプレゼンもできます。さらに、客席のアバターと会話もできるので、質疑応答などもそのままボイスチャットでやり取りできます。リアルのように配信機材を持込むことは一切必要なく自分のPCだけで完結します。

 

 

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アバターは24種類から選ぶことが出来る。オリジナルのデザインに変更も可能

 

 

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3.ブロックチェーン技術の活用によるセキュアで拡張性の高い来場管理システム

 

中島:3つ目は、ブロックチェーン技術を活用したセキュアで拡張性の高い来場者管理システムであるということです。アーリーワークスさんのノウハウである「高速ブロックチェーン技術」を使い、VRADEの来場管理に「電子ウォレット(VRADE-ID)」を発行し、イベント毎の来場管理には「電子チケット/パス」を発行することで、イベント主催者毎に独立性の高い来場者管理を実現しています。

また、ブロックチェーン技術を用いたプラットフォームは競合にはありません。ブロックチェーンは、情報の改ざんが実質不可能で堅牢性が高く、さまざまな業界での利活用が進められています。さらに電子ウォレットを使い、そのイベント内での通貨とか、NFTの電子アートを取引することも可能になるなど、今後さまざまなサービスに発展させることができると考えています。

 

髙橋:NFT(ノンファンジブルトークン:偽造不可な鑑定書・所有証明書付きのデジタルデータのこと。ブロックチェーン上で発行および取引される。Twitter最高経営責任者Jack Dorsey氏の最初のツイートがオークションにかけられ、約2億7000万円の入札額が話題)が凄く流行っていますけど、NFTを使ったゲームが2018年ぐらいに話題になり、個人的にやっていて、かつ博報堂DYメディアパートナーズでも事業開発を始めていました。すでに知り合いだったアーリーワークスの小林さんもキャッチアップしていて、NFTのビジネスをやりたいねと定期的に話し合っていました。(2020年6月9日博報堂ⅮYメディアパートナーズ、アーリーワークスと業務提携)
NFTってデジタルデータの所有を証明する技術なのですが、その価値が伝わりづらい時があります。ですが、VR空間に持っていくと表現しやすくなります。それでVRやりたいねって、かなり前から話していました。

 

小林:ブロックチェーンは改ざん耐性、サーバーがダウンしない、コストが削減できるなどの様々なメリットがありますが、一方でその本質は、トレーサビリティにあるとも思っています。トレーサビリティとは、ある対象が、「いつ、どこで、だれによって、作られたのか」を明らかにするために、追跡可能な状態にすることです。何かのデータが生まれた瞬間からブロックチェーンで管理してあげることで、情報のトレースが可能になり、様々なデータの正当性を担保できるようになります。

 

髙橋:少し未来の話になりますけど、VRADEってコミュニケーション力をかなり重視しているサービスじゃないですか。そうなってくると誰と喋ったか、誰から『いいね』をもらったのか。そういう履歴がものすごく価値を高めることになると思います。
全く知らないから人から『いいね』されるよりも、小林さんとか山路さんから『いいね』されているほうが、権威性を紐づけたりすることになります。コミュニケーションが可視化されてブロックチェーンにちゃんと載ることで、フェイスブックやグーグルでいうソーシャルグラフのトークン版が出来てくるのですよ。今後これを目安に広告の配信も出来るようになるかもしれません。非常に新しい実験の土台をいま作っていると僕は考えています。

 

小林:髙橋さんの話の補足というか、なんか本当に行動履歴が価値になる時代というのは、ブロックチェーン企業であればアーリーワークスだけじゃなく、他の企業も求めていますね。

これがVRの世界でNFTとしての名刺があって、本人からちゃんともらったかどうかっていうのも、ブロックチェーンのログとしてしっかり残せるので、その人の行動価値みたいなものを可視化するのに、重要なスコアの素地になるといのが、やはりブロックチェーンの面白いところかなと思っています。

 

 

 

リアルなミーティングとVR空間のミーティングの違い

 

中島:コミュニケーションはリアルと同じようにできるけど、目に見えるものがリアルじゃないから面白いと思います。Zoomだと結局見えているのはそのままの画像や映像なので面白みは当たり前ですけどないですよね。VRADEの中でのコミュニケーションはそのまま喋ればいいので凄くスムーズですが、見えている世界はゲームみたいな空間で非日常的です。そのギャップが楽しいと思います。

 

川島:ビジネスミーティングということで考えても、VR空間の強みはありますよね。

 

中島:お客さんと直接喋りたいコミュニケーションツールとして使えることが強みのような気がしますね。映像配信ではない本当の意味のオンラインイベントが実現できます。よくオンラインイベントやバーチャルイベントを定義するときに言っているのは、イベントの特性である時間と場所を限定するからこそ、ヒト・モノ・情報が集まることができる。VRADEならそれをしっかりと再現することができます。
イベントって普通なら会えないような人と会えるのがいいところで、例えばモーターショーだったら、車が展示してあるだけじゃなくて、実はそこで説明している人がメーカーのマーケティング担当者だったり開発担当者だったりすることがあります。彼らがアバターとして参加できるわけです。クラブハウスの面白さと同じことが起こりうると思います。タレントさんと突然サロンで会い、自分に喋ってくれているように感じるような感動体験。そういう面白さがこのVRADEにはあります。他のプラットフォームでは、ヒト・モノ・情報が集まる強みを活かせていないような気がします。

 

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新しいコミュニケーションのカタチ

 

中島:ビジネスイベントではない活用としては、ファンミーティングみたいな使い方があります。例えばeスポーツの観戦をそのチームのファンだけで見るとか、みんなでライブビューイングみたいなものをバーチャル空間上でするみたいなものにはいいと思います。みんなで見ながらワイワイ出来ます。ビジネスじゃない方向で言うとそういうサロン的な使い道もあると思いますね。

 

川島:先日とある企業様から、社内の懇親会で使ってみたいという問い合わせもありました。単にオンラインイベントといっても様々なので、あらゆるニーズに応える必要がありますね。
また、今後もオンラインがスタンダードになり、コミュニケーションの手法も複雑化し、得意先からのオーダーもより高度化するだろうと思います。そのような中で、汎用性が高いVRADEは脚光を浴びていくと確信しています。

 

中島:VRADEは、オンライン上で簡単に時間や空間を共有する感覚が味わえるので、VRADEならではのイベントのカタチが発展していくことと思います。そこでは、通常のリアルのイベントを置き換えただけじゃない、VR空間だからこその様々な体験が生まれるのではないかと思います。そういう意味では、「VRADE」には、リアルよりも豊かなコミュニケーションの可能性が拡がっている、とも言えるのではないでしょうか。

 

 

 

 

 

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